クラウド会計ソフトで知られ、スモールビジネスを支援するfreee株式会社が雑誌『起業時代』を1月19日に創刊した。『起業時代』のテレビCMも同日より関東圏にて放送開始。そのCM発表会が、1月18日に都内で開かれた。
CMには芸人のヒロシさんを起用。自身も事務所を立ち上げた経験を持ち、起業の当事者であるヒロシさんが、CM内では会社を辞める決意をするサラリーマンを演じている。
CM発表会では、まず『起業時代』の井口侑紀編集長が登壇して、創刊の理由や雑誌のコンセプトについて語った。
井口編集長は、日本は諸外国と比べて起業はハードルが高いものと感じている人が多いと指摘。『起業時代』では「ふつうの人がフツーに起業できる時代」というテーマを掲げて、「起業・開業したいけど自分にできるかな」と不安を感じている人たちに必要な情報を提供し、起業・開業が当たり前の世の中になることを目指すという。
井口編集長は、休刊する雑誌も多く出版不況と言われている今、なぜ紙媒体なのかについても言及した。これまでfreeeはデジタルを中心に取り組んできたが、全国の書店・コンビニで『起業時代』を販売することで、これまで訴求できなかった層にアプローチしたいとのことだった。
若手起業家がヒロシさんに悩み相談
続いて、ヒロシさんと若手お笑いコンビのウエストランドが登壇。CMについての感想を3人が語り合った後、さらに起業家2名がステージに招かれた。
ゲストとして登場したのは、合同会社SlowFastの谷口昌優さんとシュール手芸作家のころとろさん。谷口さんは子供用の靴のサブスク型レンタルサービス「Kutoon」を手がけ、ころとろさんは札束型マフラーなどのユニークな作品を制作している。
谷口さんところとろさんからアドバイスを求められたヒロシさんは、「俺はホリエモンさんじゃないのよ」と恐縮しながらもヒロシさんは起業の先輩として相談に答えた。
起業して日が浅い谷口さんところとろさんからは「自分のサービスをもっとたくさんの人に知ってほしい」などの相談が飛び出し、ヒロシさんは「自分の映像を勝手にテレビ局に送りつけたり、思いつくことは全部やりました」と駆け出し時代の経験を語ってアドバイスした。
起業へのモチベーションが高まる雑誌
新雑誌『起業時代』は全国の書店、コンビニエンスストア、そしてネット書店で販売される。定価は660円(税込)。年2回(1月、7月)、刊行される予定だ。
創刊号の誌面では「起業のダンドリ」という特集で、起業する上での手続きやお金のことなどを分かりやすく解説。また、33人の起業家にインタビューし、決断した理由や起業の楽しみ方、起業で手に入れたものなどを聞いている。
取り上げられた起業家が手がけているのは、飲食店、舞台制作、漫画家プロダクション、建築機械修理、ペット同伴ホテル、塾、クラフトビール醸造・販売などなどと非常に幅広く、起業を考えている人なら参考にしたいモデルケースが必ず見つかることだろう。
井口編集長は今回の発表会において「時代を仲間にして起業が応援される世の中にしたい」と意気込みを語ったが、まさに仲間たちが見つかり起業に向かう勇気がもらえる1冊と言えそうだ。