世界中のボランティアの共同作業によって執筆及び作成されるフリーの多言語インターネット百科事典である「ウィキペディア」を運営するウィキメディア財団は、寄付の手段として暗号資産(仮想通貨)を直接受け入れることを中止すると発表した。

ウィキペディアでは、ボランティアや寄付者のコミュニティからの要望に基づいて2014年に暗号資産ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)の直接受け入れを開始した。今回、同じコミュニティからのフィードバックに基づいて、寄付として暗号資産を受け入れることを中止する決定を下したという。具体的には、Bitpayのアカウントを閉鎖し、寄付の方法として暗号資産を直接受け入れる機能を停止するようだ。

1月末にコミュニティの議論が開始され、3ヶ月に及ぶ議論を経て4月末に暗号資産による寄付の受付を停止することを決定した。暗号資産の環境負荷や、一攫千金を狙ったリスクの高い投機として広がっている点が対応停止の要因となったようだ。また、ウィキメディア財団の暗号資産による寄付の受け入れは最小限のリターンしかなく、暗号資産の受け入れを中止しても財団の資金調達能力に大きな影響を与えることはないという。2021年、暗号通貨による寄付を約13万ドルで、寄付総額のわずか0.08%だった。

ウィキペディア財団は、今後もこの問題を監視し続けて、ボランティアと寄付者のニーズに柔軟に対応し続けるようだ。