10月4日付で謹慎処分(10日間の出勤停止)を受けることになったテレビ朝日社員でコメンテーターの玉川徹氏(59)の一件が波紋を広げている。10月5日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)では、司会を務める羽鳥慎一アナウンサー(51)が代わって謝罪し、玉川氏に改めて説明と謝罪を求めた。
番組冒頭、羽鳥アナは「今日から玉川さんがですね、10日間の謹慎処分ということになりました。放送10回分の出演禁止ということになります」と説明。「今回、玉川さんの発言によりまして、ご迷惑をおかけしました各方面の方々、そして不快な思いをされました各方面の方々、さらに視聴者の方々、大変申し訳ありませんでした」と謝罪。
玉川氏は、9月28日の同番組内で、安倍晋三元首相(享年67)の国葬における菅義偉前首相(73)の弔辞について「これこそが国葬の政治的意図」と語り、ディレクターという立場から「政治的意図がにおわないように、制作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね」と主張していたが、翌29日の番組では「この発言は事実ではありませんでした。さらに、電通は全く関わっていないということが分かりました」と訂正。事実誤認だとして謝罪していた。
玉川氏は19日から番組に復帰予定だが、こうした経緯を踏まえて羽鳥アナは「予定ですと玉川さんは再来週の水曜日に復帰を致しますが、その際になぜ今回このような発言になったのかの説明を改めてするべき、そして謝罪をするべきだというふうに私は思っております」とコメント。そのうえで「改めて大変申し訳ありませんでした」と頭を下げた。一部では19日に玉川氏が進退を発表するという報道もある。
玉川氏の誤認発言については、Twitter上で「玉川徹の降板を求めます」というハッシュタグが拡散されるなど批判が強くなっていたが、謹慎処分が発表されると今度は一転して「玉川徹の謹慎処分に抗議します」というタグが生まれ、トレンドワードに急上昇。ただ、タグの内容に関しては「出勤停止10日?ふざけんな。菅元総理や故安倍元総理、安倍さんの遺族に直接謝罪。それで番組降板。これが最低限なのは当たり前」「コレはクビが妥当だろ?10日程度じゃ、単なる秋休みじゃねぇか」「ようは夏(秋)休み程度のこと。処分でも何でもない!」と“処分が甘すぎる”という声と、「人権侵害や差別発言、虚偽発言をしても、謝罪や訂正すらしない国会議員は野放しなのに、今回の問題だけやり玉。矛盾しかありません」「玉川氏はきちんと訂正・謝罪をしたのに謹慎処分を課すなど言論の弾圧。テレ朝に強く抗議します」「あんな事で処分されるなら自民党は解党どころか日本追放だよ」と、“処分を受けたことに対しての反論”とで、意見が真っ二つに分かれている。
「今回の失言は公共の電波を使ってデマを流してしまったことに加え、遺族や菅氏に対してひどく礼節を欠いた発言でしたから、処分が下されたのは妥当といえます。一応、謹慎明けに番組に復帰予定ですが、玉川氏の謝罪の内容によっては本当に降板騒動に発展する可能性もあるでしょうね。さらに、立て続けに起こった旧統一教会問題や国葬問題によってますます政治不信に陥っている国民が多いのも明らか。メディアや政治が嘘を発信しているなら、一体何を信じればいいのかと国民が混乱するのも当然です」(政治記者)
事実誤認とのことだが、玉川氏は一体どこから「電通が入っている」との情報を仕入れたのか?少なからず「弾圧があったのでは?」との声も上がっているだけに、包み隠さず説明責任を果たしてほしいところだ。