【2022年10月14日 ポルトープランス(ハイチ)/パナマ/ニューヨーク発】

ユニセフ(国連児童基金)は、ハイチですでに重度の急性栄養不良に陥っている約10万人の5歳未満の子どもたちが、同国で発生しているコレラに感染した場合のリスクは特に高いと、警告を発しています。

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ハイチ国内の多くの人々が食料不安に直面している現在、急性栄養不良の子どもたちは免疫力が低下しており、コレラに感染した場合に死亡する確率が少なくとも3倍も高いため、この感染症の流行を食い止めるための緊急対策の必要性がさらに増しています。

2022年10月2日にコレラの発生が初めて報告されて以来、357人の感染の疑いがあり、その半数以上が14歳以下の子どもたちです。感染リスクが最も高いのは1歳から4歳までの子どもたちです。

「ハイチの危機は、ますます子どもたちの危機になりつつあります」と、ユニセフ・ハイチ事務所代表のブルーノ・マースは述べています。

「コレラに感染した子どもたちの3人に1人は5歳未満です。栄養のある食べ物を摂取できず、すでに弱っている子どもたちにとって、コレラに感染し、下痢や嘔吐などに襲われることは、死の宣告に近いものがあります。症状の発見と治療が急がれるとともに、コミュニティにおける新たなコレラ患者の発生を防ぐための具体的な対策が必要です」

コレラの最初の感染者が報告されたシテ・ソレイユ市では、この脅威を食い止めるための緊急措置が取られない限り、5歳未満の8,000人もの子どもたちが、急性あるいは重度の栄養不足から生じる消耗症とコレラとの併発で死亡する恐れがあります。何千もの家庭が食料不足に直面している貧しい地域では、暴力と武装ギャングの脅威によって荒廃が進んでおり、住民の基礎的サービスへのアクセスが大幅に減少しています。ただでさえ脆弱な栄養を取り巻く状況は、インフレ、食料価格の高騰、貧困のまん延、購買力の低下、さらに現在のコレラの発生によって悪化し、何千人もの栄養不良の子どもたちの命が危険にさらされています。

4月にシテ・ソレイユで行われた栄養調査では、5歳未満の子どもの5人に1人が消耗性疾患という深刻な段階の栄養不良状態にあることが明らかになりました。またハイチでは慢性的な栄養不良、発育阻害(スタンティング)も大きな問題で、4人に1人近くの子どもに影響を与えています。2022年7月から10月にかけて、シテ・ソレイユでユニセフとパートナー機関が行った支援により、5歳未満の子ども3,155人を検査し、消耗症と診断された子ども1,180人に質の高いケアを提供することができました。

コレラの流行下で栄養不良を食い止めるため、ユニセフ、ハイチ保健省、パートナー機関は、4万人の5歳未満児の消耗症を特定するための積極的な検査、消耗症患者をユニセフが支援する移動診療所や近くの保健施設に適時に紹介、また消耗症の5歳未満児8,000人に質の高い医療を提供する活動を開始しました。

「今日、私たちは栄養不良とコレラという、子どもたちの命を危険にさらす2つの脅威に対して、厳しい闘いを繰り広げています」とマース代表は付け加えました。「コレラが急速にまん延し、感染拡大が制御不能になる危険性があるため、時間との闘いとなっています」。

ユニセフはまた、消耗症の治療のために、すぐに食べられる栄養治療食(RUTF)や治療用ミルク(F-75・F-100)などをパートナー機関に提供し、治療能力や適切な入院体制を強化してきました。ユニセフはまた、各コミュニティの保健員(ASCP)と協力し、乳幼児への正しい食習慣の実践を促すとともに、コミュニティ内でのコレラの感染を食い止める方法を各家庭に伝えています。

ユニセフはコレラに特化した対応として、2,200万ドルの予備的な資金要請を行いました。この金額は、状況の変化や現地のニーズに応じて見直される予定です。これまでのところ、資金は集まっていません。

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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/

※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/