3月7日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に弁護士の菊間千乃氏(51)が出演。高齢者が起こす交通事故をめぐり、行政が高齢者の移動に対し手厚いサポートをしているかのように発言し、視聴者から反発を集めている。

この日、番組では相次ぐ高齢ドライバーによる交通事故について報道。5日には福岡市の寺の駐車場で、1年ほど前に免許を自主返納していた男が車を運転。アクセルとブレーキを踏み間違え、女性をはねて死亡させた。

さらに先月11日には北九州市で車の暴走事故も発生。番組ではその裏に「運転をしなければどこにもいけない」という地方の地域事情もあることを紹介。実際に昨年11月に福島県で発生した97歳の高齢ドライバーによる5人を巻き込んだ死傷事故では、被告の自宅から最寄りのバス停が、高齢者では20分かかることもあるという。

このことについてコメントを振られた菊間氏は、「運転しなければ食事にもどこにも行けないっておっしゃいますけど、そんなことはないと思うんですね」と断言。「行政のサポートとかあると思うし。そういう言い方すると『しょうがなかった』と思ってしまいがちですけど、やっぱり人がひとり亡くなっているので」と、遺族の気持ちを考えるべきだとした。

また、菊間氏は自身の父について、てんかんの発作のように意識がなくなったことにより自損事故を2回起こしたため、66歳で免許を返納させたと説明。その後、「電車使ったり、タクシー使ったり、(交流のある)父兄の方に乗せていただいたりして」と言い、「どうやっていままでの生活を継続していくかっていうことをみんなで考えるようになる」とのこと。

一方、菊間氏の父は運転好きだったというが、「そうじゃない生き方があるっていうことを徐々に徐々に周りがサポートしながらやっていくことはできるので。私は早めに返納して、車がない生活をどう作っていくかを家族とか近所の方とかと考えていくことが大事」と持論を展開していた。

しかし、こうした菊間氏の現実をまったく直視しない発言に視聴者からは、「菊間さんは無知にも程がある」「田舎の現状を知ってから喋ってください」「菊間はメチャクチャだな。行政のサポートはそこまで充実してないだろ」「高齢者でも車を運転しないと本当に生活できないとこってあるんだよ」という訴えが続出している。

「菊間さんの場合、たまたま家族や近所の人のサポートがあり、父親が運転しなくてもいい環境にあるのかもしれませんが、いまは限界集落でなくても、徒歩1時間圏内にもスーパーやコンビニがなく、近所の人も高齢者ばかり、家族は離れて暮らしているという状況はザラ。さらに行政のサポートも追いついておらず、本当に車がないと生活できない人というのは多く存在します。それを事故の言い訳にするのは言語道断ですが、菊間さんの発言はあまりに軽率だと感じた人が多かったようです」(政治記者)

家族の運転問題に悩んでいる人が多くいるだけに、菊間氏に反発心を抱いた人は少なくなかったようだ。