製菓・製パン用の材料などを扱う日本最大級のECサイト「cotta(コッタ)」を展開する株式会社cottaと、食品素材の大手メーカーの不二製油株式会社が、5月10日(水)より新しいECメディア「cotta tomorrow(コッタトゥモロー)」を立ち上げた。
5月17日(水)には、東京都内にて「cotta tomorrowお披露目・試食会」が開催された。
会にはcottaの黒須綾希子代表取締役社長が登壇。コロナ禍を通じて、ユーザーの嗜好の変化を強く感じたと語った。以前はインスタ映えする菓子を好むユーザーが多かったが、コロナ禍以降には健康面で安心できて美味しい菓子を求めるユーザーが増えたという。
そうした変化の中で、ユーザーはプラントベースフードを強く求めるようになった。プラントベースフードとは、大豆などの植物性の食材を使って従来の動物性食品の風味や食感を再現した食品のことで、健康志向や環境への配慮などを背景として右肩上がりで市場が成長している。
cottaが2022年5月に業務提携した不二製油は、以前から植物性食品素材に取り組んでいる企業であり、プラントベースフードに対応した商品を多数手がけている。
この会に登壇した不二製油グループ本社執行役員の鈴木清仁氏によれば、BtoBのビジネスを行っている同社としては、cottaとの業務提携には消費者の反応を商品開発にフィードバックできるなどといった様々なメリットがあるとのことだった。
従来の動物性食品より美味しいものを
今回立ち上げられたcotta tomorrowでは、プラントベース、グルテンフリー、オーガニックなフードのレシピなどの情報を発信する他、そうした食品作りに必要な商品が購入できる。
cotta tomorrowではcotta監修の完成品の食品も販売する。体によい食材というと、一般的に「健康によい分、味の面では少し物足りないもの」というイメージもあるが、この完成品で美味しさをユーザーに味わってもらうことで、むしろ「こちらのほうが従来の食品より美味しい」と選ばれることを狙うという。
その完成品として、パティスリー「ASTERISQUE(アステリスク)」の和泉光一シェフとのコラボ商品が数量限定で5月18日(木)より販売されている。第1弾は「クルスティアン ショコラ ソイ」だ(5枚入り、税込980円)。
会では試食も実施されたが、豆乳クリーム、豆乳クリームバターを使用したチョコサンドクッキーで、ザクザクとした食感がチョコ味と非常にマッチしていた。
このクルスティアン ショコラ ソイに加えて、和泉シェフが手がけた「エトナ ソイ~ピスタチオとベリーのオペラ風ケーキ~」の試食も行われた。バターの代わりに豆乳クリームバターを使用していて、濃厚でありつつ、後味がすっきりとした逸品だった。
和泉シェフ考案の2品以外では、豆乳チーズなどを使った「ソイラザニア」、植物性ダシなどを使った「初夏のミネストローネ」、米粉製パンなどを使った「米粉パンのあんバターサンド」、卵、乳、小麦粉不使用の「シフォンケーキ」の試食が行なわれたが、どれも物足りなさは全くなかった。
今回試食した食品の中で完成品として販売するものはクルスティアン ショコラ ソイのみだが、シーズンごとに新たな商品を展開していく予定とのこと。
今後はプロから提供されたレシピを掲載する他、インフルエンサーとの提携も行ない、レシピの掲載内容を充実させていく。さらには、読み物などのコンテンツも充実させ、ただモノを売るのではなく、どうすれば美味しいモノを作れるかという情報も発信していくという。
cotta tomorrowの売上の目標は、黒須社長によれば「3年後に13億円」とのこと。社会でプラントベースフードの大きなブームが生まれれば、もっと早い時点で目標を達成できると思う、と意気込みを語った。