8月20日(火)、東京都内にて「GREEN JOURNEY」発表会が開かれた。「GREEN JOURNEY」は、CO2の排出を抑えて地域の課題解決にもつながるサステナブルなツアーである。

日産自動車株式会社と株式会社日本旅行が発起人となり、業界の垣根を超えた全14社で「GREEN JOURNEY推進委員会」が発足。推進委員会に加わったのは日産自動車と日本旅行のほかは、JRグループ(北海道旅客鉄道株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社、日本貨物鉄道株式会社)、株式会社地球の歩き方、株式会社おてつたび、株式会社TBWA HAKUHODO、Earth hacks株式会社、特定非営利活動法人 日本ジオパークネットワーク。

発表会に登壇した日産自動車の常務執行役員の神田昌明氏と日本旅行の代表取締役社長の小谷野悦光氏が「GREEN JOURNEY」がスタートした経緯について解説した(写真左の人物が神田氏、右の人物が小谷野氏)。

EV(電気自動車)のリーディングカンパニーである日産は、EVで地域の課題解決を目指す「ブルースイッチ」などの取り組みなどを続ける中で、観光に着目。観光産業で排出されるCO2の割合が高いことから、人々の移動に寄り添ってきた日産としてサステナブルツーリズムに取り組むことにしたという。

日本旅行は、円安などで国内旅行のニーズが高まっている中、地域の社会問題の解決に関して観光業界としてできることをしたいと考えて、今回の取り組みに参加した。

神田氏と小谷野氏がステージ中央に置かれたパネルのベールを外し、「GREEN JOURNEY」のイメージキャラクターとして『ムーミン』でおなじみの旅人スナフキンが起用されたことも紹介された。

第2のふるさとを作ることもできる

発表会では「GREEN JOURNEY」のツアーの内容も明らかにされた。「GREEN JOURNEY」は旅行者が楽しむだけでサステナブルに貢献できる、新たな旅のスタンダードを目指すもので、第1弾として「GREEN JOURNEY 熊本阿蘇」「GREEN JOURNEY 伊勢志摩」が日本旅行から販売される。

「GREEN JOURNEY」では、アクティビティとして「コネクトプログラム」を用意。その土地ならではの産業や文化に直接触れることができるだけでなく、旅が終わった後もLINEアプリを通じてその土地からのメッセージが届く。旅行の後も土地とのつながりを維持することができて、“第2のふるさと”を作れるのだ。

また、LINEのスタンプラリー機能を活用して、訪問先でポイントを貯めてグッズと交換できるというゲーム的な要素も盛り込まれる。

旅の醍醐味であるグルメも「GREEN JOURNEY」で楽しめる。志摩市では利用されることが少ない低利用魚を食材として活用するなど、ここにもしっかりとサステナブルな要素が盛り込まれている。

今回発表された「GREEN JOURNEY 熊本阿蘇」「GREEN JOURNEY 伊勢志摩」は第1弾であり、2033年までに旅先を200エリア以上に拡大し、ツアーの延べ参加者数を1000万人以上にするという目標も発表された。日産自動車の神田昌明氏も、「これはあくまでスタートなので、今後は賛同企業も増やしていきたい」と意気込みを語った。