そして季節のお造りが提供されるのだが、そのどれもが素晴らしい。
サラダはきゅうりと大根がしっかりと水抜きされた上でキリリと冷やされており、シャキシャキとした歯応えとみずみずしい味わいを楽しませてくれる。そこにはきゅうりの青臭さや大根の水っぽさなど微塵もなく、さっぱりとしたポン酢のような味わいで楽しめるのだ。
もちろん茶碗蒸しの素晴らしさは言うまでもない。
そして特筆したいのがお造りだ。この日はイカだったのだが、その味わいは超一流の寿司屋で提供されるような最高の逸品であった。
そんな次々と提供される天ぷら以外の食事に一つ一つの感動を受けた後に、いよいよ最高の天ぷらの時間がスタートする。
もしもカウンターに座ることができたなら、ピカピカに磨き上げられた銅の揚げ鍋とその素晴らしい所作を目の前で体験できる。もちろん揚げ鍋だけではなく、目に見えるその全てが清潔に保たれており、凛とした雰囲気すら感じてしまうだろう。
まずは海老が3本ほど提供されるため、塩でも天つゆでも、思う存分、海老の美味しさを堪能できる。天ぷらの中心が少しレアな状態で提供されているため、甘みがありながらもっちりとしており、そして海老のぷりっとした感触も感じられる、最高の蒸し料理のような、素晴らしい味わいがそこにはある。