シンガポールに拠点を構える子ども向けモバイル端末メーカーのmy First Japanは、スマートウォッチ&フォンなど新たな製品を発表した。同社は、デバイスを活用するための独自のプラットフォームを提供し、受け皿を用意することで子供を取り巻くSNSのより良い環境作りも目指している。

世界50か国で販売展開し、スマートウォッチはすでに5型をラインアップしているmy First 社。今回発表されたのは最上位機種となる「my First FoneS4」と手頃な価格帯の「my First Fone S3c」だ。音声通話、ビデオ通話、GPS、カメラ、音楽プレーヤーといった基本機能を搭載。

3月13日から公式サイトで先行予約販売を開始したmy First FoneS4。前身モデルとなるS3のディスプレイは1.4インチだったが、S4は1.65インチへと拡大。さらにAMOLEDディスプレイを搭載したことで画面はより鮮明で見やすくなり、本体は薄くシェイプされた。また、常時時間が表示されるが消費電力は抑えられているという。

機能面では、GPSにデュアルバンドを採用したことで従来のシングルバンド(Wi-Fiのトラッキング)よりも精度が30%アップ。より正確に子どもの現在位置を捉えられる安心感に寄与するアップデートだ。

そして、my First社が力を入れるコミュニケーション機能。
日常の習慣を形成する「ハビットトレーナー」とは、いわば親子で取り組む習慣付けの練習だ。例えば、「靴を洗う」「後片付けをする」といったタスクを設定。タスクの実行時間になると通知され、達成すると「キャロット」が獲得できる。キャロットは「キャロットストア」でアバターなどと交換ができる。ただし、タスク通知を子どもが3回拒否すると、保護者に通知が入るようになっているという。親子で楽しみながら日々の習慣形成を育める便利な機能だ。

3月15日にはスマートウォッチ&フォンのエントリーモデルとなる「my First Fone S3c」の公式サイトでの販売も開始。シンプルな機能と手の届きやすい価格帯がユーザー増に寄与するだろう。

「私たちmy Firstの使命は、子どもたちとテクノロジーの架け橋となり、安全で楽しく豊かなた体験を次世代に提供することです。子どもたちの心に力を与え、家族の絆を深め、子どもたちとテクノロジーとの関わり方を再定義する画期的な製品となっております」
と、コンセプトを語ったmy First Japan代表取締役のサム・リー氏。記者発表ではビデオ通話のデモンストレーションも披露した。

同社はこれらの最先端のデバイスを生み出しつつも、何より子どもへの安全なSNSのプラットフォーム構築にも力を入れている。子どものためのソーシャルネットワーク「my First Circle」は、保護者とともに楽しみ学べる機会を提供するアプリでスマートウォッチ&フォンを始めとしたデバイスで活用できる。見知らぬ人との接触の心配はなく、広告が表示されることもない。

同社の製品説明には「安全」の二文字が多く散見されるが、子どものITリテラシーに寄り添い伴走しようとする強い意志が感じられる。昨年11月にオーストラリアで16歳未満のSNS利用を禁止する法案が可決されたことは記憶に新しく、現在のSNSは子どもにとって安全とは言い難い。

子どもにどのようにインターネットを使わせたら良いか、SNSには触れさせて良いのか……。そうした悩みを抱える保護者にも画期的なガジェットとして大きな助けになるに違いない。

【新製品】
my First FoneS4 ¥34,800
my First Fone S3c ¥9,980 
my First Camera Insta 20 ¥14,800
my First Frame ¥14,800