クリエイティブ分野などでの学校教育で有名なバンタンは、2026年4月に音楽の専門校「バンタンミュージックアカデミー POWERED BY ユニバーサルミュージック」を開校する。

ユニバーサルミュージックと提携し、音楽業界で活躍するクリエイター、パフォーマー、スタッフを育成することを目的とした学校だが、4月5日(土)には東京都内で入学検討者を対象とした特別講義が開かれた。

講義を担当したのは、代表曲「NIGHT DANCER」などが全世界で累計100億回以上再生されている新世代アーティストのimase氏。

今回の講義は、imase氏が普段使用している機材を持ち込み、アイディアを形にしていくプロセスを実際の作業風景を通じて参加者に見せるというもの。

あらかじめバックトラックを作ってきたimase氏は、音を鳴らしながら作業のプロセスを解説。会場に流れたトラックは、ジャズフージョンをよく聞くというimase氏の嗜好を反映したもの。歌のメロディや歌詞優先の人もいるが、imase氏はまずはキーボードでコードを鳴らしてバックトラックを作るという。

次にドラムを鳴らしてリズムを加えたimase氏は、そこに鼻歌的な感じで歌ってメロディを足した。さらに「楽曲の迫力を演出するために、いろんな音域を使うと曲が華やかになります」(imase氏)とベース、トランペット、ストリングス、ギターなどの音を足していく。

最初の段階から比べてかなり華やかになった曲にイントロ部分を足したimase氏は、「歌メロに薄さを感じる」と語り、歌のハーモニーも足していった。

要所要所で「音のすき間をどこまで埋めるかはその人次第です」「楽器をきちんと弾けない自分はDTMに助けられています」などと語ったimase氏は、「素人っぽい曲とプロっぽい曲の違いが出るのは音色」と音色選びの重要さを力説するなど、曲作りにおける様々な重要ポイントを解説。後半部分のメロディを即興で歌って、曲を完成させた。

自分らしさの出し方もアドバイス

会場からの質疑応答で、SNSに投稿する際のモチベーションを聞かれたimase氏は、「(悪い反応が来ないかと心配になるけれど)そんなに気負わなくていいんじゃないでしょうか」と語り、作り続けるためにも完成度が低くてもまずは作品を投稿して世に出すことを勧めた。

「自分らしさ」について聞かれると、自分らしさを出すのは難しいと語りながらも、「僕は自分自身の声を大事にしています。自分の声に合うテイストの曲を考えてもいいのでは?」と、実際に歌いながら曲を作り上げる過程を見せたimase氏ならではの説得力のある回答を披露した。

今回の特別講義には会場に約100席が用意されたが、入学検討者と保護者ですぐに満席となる状態で、特別講義のニーズが非常に高いことがうかがえた。バンタンでは、同様の特別講義を今後も行っていく予定だという。