全国で体操教室を展開するネイス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:南 友介、以下「ネイス」)は、2026年度を目処にマレーシア・クアラルンプールに出店すると発表した。同社としては初めての海外店舗となる。出店先のマレーシアは3人に1人が肥満、5人に1人が糖尿病という深刻な健康問題を抱えているという。国内外における体操教室の実情に加え、2026年の事業戦略説明を含めた記者発表が都内で行われた。

遊び場がない! 現代の子どもたちが安全に体を動かせる場所とは?

多くの人が、曲が流れれば自然と体が動いてしまうのではないかと思われる、ラジオ体操。学校の体育の授業で習った跳び箱や鉄棒しかり、私たち日本人にとってはこうした運動や体操は大変馴染みがあるものだ。

昨今は町の体操教室がとても人気があるという。子どもの運動系の習い事の中では水泳教室に次ぐ人気だ。その背景には、子どもたちの遊び場の減少や公園でボールを使ってはいけないといった禁止事項などなかなかに世知辛い事情があると、ネイスの代表 南 友介氏は説明する。

「遊ぶ場がなく子どもを外で自由に遊ばせられないといった現実や、身体能力を育む習い事の一環として体操教室が選ばれています。体操教室の場は子どもたちのサードプレイスとして重要な場所となっています。そこで小さな成功体験をするんですね、飛べた、回れたといった。夢中になっていきます。そうした夢中体験が自己肯定感につながっていきます。また近年は子どもの体力が低下しているというデータもあります。基礎的な体力を育む場所としても体操教室は期待されています」

南氏は元体操の選手でもあり、第一線で活躍したアスリート。自身も幼少から体操教室に通い学校よりも楽しい場だったと話す。こうした習い事は、子どもの自発的なやる気はもちろんだが、なにより親が通わせやすい環境にあることも続けていくうえでは大事なことだ。

「ネイスの教室は、その多くがショッピングセンター内にあります。生活の導線に近づけた形になります。その導線に習い事も入れてしまえばとても通っていただきやすいんです」

実際に見学した新宿校は、タワーマンションの一角にあった。親が送迎しやすい立地というのも考慮して出店しているのだそう。

そして、特筆すべきは同社が発達障害を持つ幼児・児童のクラスを設けていることだ。南氏自身もADHDと診断を受けていると明かし、たいていは他の子どもたちと足並みが揃わずに教室から断られてしまうケースが少なくないという。そこでなんとか続けられるように専用のクラスを新設、現在関東圏に11の教室を構えている。

遊び場として、また心身を育む場として、体操教室が果たす社会的役割は大きいようだ。同社は現在全国に171店舗の教室を展開しているが、今後500店舗以上の出店を見込んでいる。

日本の体操教室がマレーシアに初出店

2026年度を目処にネイス体操教室は、日本を飛び出しマレーシアでの開校を予定している。「NEIS Gymnastics AEON MALL Taman Maluri」の開校だ。海外進出第一号がマレーシアとなった背景には、同国の深刻な健康課題があるという。

「マレーシアは3人に1人が肥満、5人に1人が糖尿病という現実があります。幼少期から体を動かすことを習慣化し身につけさせることが大切です。当地での教室プログラムは、特別なものではなく日本国内で実施しているものと同じ内容を実施いたします」

マレーシアの肥満率は22.4%、日本の4.5倍だ。現地ではすでにプレイベントとして体験教室が開かれており、とても好評だったという。ちなみに、鉄棒や跳び箱は日本独特の運動種目。だが、プログラムの内容はそのままに展開を予定しているとのことだ。日本の文化や礼儀作法に触れることにも期待があるかもしれない。

ネイス体験教室の講師は、多様なバックグラウンドを持つスタッフが多い。体操の専門性よりも安全管理や子どもたちをしっかり観察する目や細かな気配りという要素のほうが講師には求められる資質のように思える。同社ではそうした講師育成のプログラムを経て初めて子どもたちの前に立つ。

ネイス新宿校のキッズクラスを見学したが、挨拶から始まり運動と子どもたちの笑顔が弾けていた。子ども7〜8人に対して講師は3人と手厚い。

全国各地で需要が高まっている体操教室、海外での展開など今後も注目だ。