国立公園の大部分は手つかずの原生林ですが、全長120キロメートルを超える20本の標識付きの遊歩道(多くは周回コース)が整備されており、気軽にハイキングを楽しめます。歩きやすい靴さえあれば、特別な装備は要りません。

森に足を踏み入れると、まっすぐに伸びるブナの幹や、頭上を覆う葉の重なりが目に入ります。地面に横たわる倒木は、枯れてキノコや昆虫のすみかとなり、やがて土へと還っていきます。そのサイクルは、まさに自然の営みそのもの。整然と手入れされた森とは違い、ここでは木々が成長し、枯れ、次の世代へと命をつないでいるのです。

特に人気の高い周回コースは「世界遺産の小径」で、全長約9.5キロメートルをおよそ3時間半から4時間かけて歩くことで、ブナ林の多彩な表情をじっくり楽しめます。

森を地上から眺めるだけでは物足りないなら、森の樹冠の高さに設けられた遊歩道(キャノピーウォーク)を歩いてみてください。キャノピーウォークの入り口は、国立公園内のハイキングコースの出発点として人気の高いティームスブルク国立公園センターの近くにあります。

地上から木々を見上げるハイキングとは違い、こちらは木の枝葉が広がる、地上約24〜25メートルの高さまで歩道を上っていく体験型の施設です。樹冠の間を縫うように延びる歩道からは、普段は見られない森の表情を間近に観察できます。

キャノピーウォークの長さは約540メートル。木々の葉と同じ高さに立つと、鳥のさえずりが近くに感じられ、葉の隙間から差し込む光もまた違った印象を与えてくれます。

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