河野太郎外相(55)は3月31日、高知県で行った講演の中で「北朝鮮が新たな核実験に向けた準備と受け取れる動きを見せている」ことを明かした。
これは、米国の研究グループ「38ノース」が公開した北朝鮮・寧辺の核施設の衛星画像を受けての発言と思われる。同グループは先月25日と今月20日の画像を比較によって、実験用軽水炉の向かい側に新たな建物の建設されたことを確認。さらに別の衛星画像からは、煙突から煙が出ているのも見つけて「試運転の徴候」としている。北朝鮮はこの施設を「民間の発電用」と主張しているが、多くの研究機関が「兵器用プルトニウムを製造可能」と分析しているのは言うまでもない。
だが、河野外相は動じる様子をみせず、日朝会談について「『日本は何もしなくていいのか!』という評論家がいるが、別に何もしなくても構わない」「北朝鮮から『さあ、平壌へ来てください』と言われ、みんながこぞっていくようなことになれば、むしろ足元をみられる」と、慎重な姿勢を強調した。従来の外務大臣に見られない、強い意志を持った外交姿勢に、ネットの保守陣営からは「太郎外交が頼もしすぎる」と賞賛の声があがっている。だが、その一方で立憲民主党・有田芳生議員(66)ら左派陣営からは批判が飛び、風当たりの強まりを感じさせる。
有田議員は同日、河野大臣の報道に「恥ずべき情報音痴」とコメント。具体的にどう情報音痴なのかは書かれていないが、直後に「北朝鮮の核施設の撤去が3月2日と17日の衛星画像の比較で、北朝鮮の非核化に進歩」との解析に関するつぶやきをリツイートしていることから、「北朝鮮が前向きな姿勢を保っている」と言いたげであった。有田議員のツイートに対しては「なんでそんなむきになってるんですか?」「河野大臣が相当鬱陶しいとみたが となるとやってることは正解」「うわー、効いてる、効いてる」など厳しい批判コメントが付いていた。
■「仕事させてほしい…」6分の答弁のために7時間も国会張り付き?
そんな河野外相といえば、2月14日にTwitter上でつぶやいた「やらねばならないことが山のようにあるのに答弁が無くとも委員会に座ってろって(中略)腕組んで目を瞑る暇に仕事させてほしい!」の発言も記憶に新しい。
この日の国会は「外交・安全保障等」がテーマの集中審議なので、担当閣僚の河野氏はわずか6分の答弁のために、7時間も席に張り付いている。だが、審議の内容は「等」に含まれる外交安全保障以外の働き方改革などについてがほとんど。そんなこともあり、河野氏は審議中、腕を組んで沈痛そうに目をつぶっていたのだが、それを国会中継で見た視聴者がTwitterで「国会中に居眠り。税金泥棒」と書き込み炎上したのである。
それに対し河野外相が前出の「仕事をさせてほしい」と反論すると、今度は野党とメディアが「テーマは『等』となっており、幅広に議論を行ってもよいはず」「ツイートの削除と謝罪を要求する。おごっている」などと騒ぎ出したという。結局、河野外相は3月6日にこの発言を削除している。
内閣総辞職や昭恵夫人の証人喚問が叶わないとなれば、次は麻生氏や河野氏の言葉尻を論い、批判の的にする。野党とマスコミがしたいのは、やはりただの倒閣なのか。そこに国民や国益への配慮は微塵も垣間見えない。
Indian Foreign Minister Sushma Swaraj shakes hands with Japanese Foreign Minister Taro Kono prior to their meeting at the Foreign Ministry's Iikura Annex in Tokyo, Thursday, March 29, 2018. (AP Photo/Shizuo Kambayashi)