そのひとつが、上部がガラス張りになっていることから名づけられた「ガラス馬車」。1911年に造られ、現在のエリザベス女王や故ダイアナ妃など、王室の花嫁が結婚式に向かう際に使われてきました。

2012年にエリザベス女王の即位60年を記念して造られた「ダイヤモンド・ジュブリー・ステート・コーチ」にも注目。

伝統を大切にした格調高い見た目でありながら、アルミニウム製の軽く強度が強い車体、暖房や自動窓、レーシングカーのデザイナーによって設計された車輪といった、クラシカルな外観とは対照的に、最新テクノロジーを取り入れた近代的な馬車に仕上がっています。

・特注の自動車

もちろん、現在の王室の公用車は馬車だけでなく、自動車も使われています。1901年にエドワード7世が初めて自動車を購入したのが王室における自動車のコレクションのはじまりで、現在は5台のリムジンがエリザベス女王によって使用されているそう。

ロイヤル・ミューズに保管されている最も古い自動車は、ロールス・ロイス・ファントムVI。自動車マニアにとってはたまらない名車が待っています。

・戴冠式で使われる盛装馬車「ゴールド・ステート・コーチ」

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