朝日新聞社が「慰安婦」の誤報道をめぐって起こされた裁判について、Twitter上で「すべて弊社の勝訴で終結した」などと高らかに勝利宣言を行ったが、それがかえって反感を買い、大炎上の物議をかもしている。問題のツイートは「朝日新聞社 広報」の公式アカウントが3月22日に投稿された以下のようなつぶやきだった。

「朝日新聞の慰安婦に関する報道で誤った事実が世界に広まり名誉を傷つけられた」などとして、国内外に住む62人が弊社に謝罪広告の掲載などを求めた訴訟が、弊社勝訴で確定しました。これで慰安婦報道を巡り弊社を訴えた裁判がすべて、弊社の勝訴で終結したことになります。」

同裁判は、慰安婦像が建てられたグレンデール市近郊に住む在米日本人を含む、国内外62人が「謝罪記事の掲載」と「1人当たり100万円の賠償」を求めた訴訟だが、2月8日に二審・東京高裁判決で「記事が、この風聞を形成した主要な役割を果たしたと認めるには十分ではない」との指摘があり、原告敗訴となった。今回の朝日のツイートは、原告側が22日の期限までに上告しなかったことを受けての勝ち名乗りだった。

この発言に対し、Twitterは大炎上。「自慢げにいう発想がすごい。誤報を認めたならその誤報を外国語で知らせる努力してないだろう」「このツイートを見て、朝日新聞の購読をやめる人が何人いるか? 書き方があるでしょう」「かくなる上は、全国的な不買運動で朝日を経営破綻に追い込むしかありませんね。」などと、朝日新聞社の発表のふてぶてしさに批判が殺到した。

法治国家である日本国民として、原告側が上告していない以上、裁判に異論を唱える人はいないだろう。だが、朝日新聞社には誤報道によって、全日本国民に対して迷惑をかけた道義的責任は厳然と存在する。それゆえ、14年9月11日に同社社長・木村伊量は記事の誤りを認め、(一応)謝罪を行い、そののちに引責辞任をしたのではないのか。それ以上の法的な責を負うべきかは司法に委ねればいいが、盗人猛々しく「すべて、弊社の勝訴で終結」など、ひらき直るのは、日本のクオリティペーパーを自認する新聞としていかがなものなのか。

なぜに、ここまで朝日新聞はネット世論と感覚が隔絶してしまうのか。訴訟での潔白をアピールするという意味では、まったくの逆効果だろう。ともあれ、ここ10年で約187万部の発行部数減(17年11月ABC部数)で613万部となった朝日新聞。ますます世論を敵に回してしまい、朝日どころか夕日が沈みかねない状況をむかえつつある。