なかでもセルビアは「コソボはセルビア共和国内のコソボ・メトヒヤ自治州である」という認識を現在も崩しておらず、「独立国家」としてのコソボの地位は盤石であるとはいえません。
1999年のコソボ紛争終結以降、コソボに住んでいたセルビア人のほとんどはセルビアへと避難しましたが、今も人口の5パーセント程度のセルビア人がコソボ内で生活しており、アルバニア系住民とセルビア系住民の対立は解消されていません。。
コソボを訪れれば、否が応でも「国家とは」「民族とは」と考えさせられることでしょう。
・コソボの治安
コソボの治安に対しネガティブな印象を与えてしまうようなことをお話しましたが、実際のところコソボの治安は一般に思われているほど悪くはありません。
スリやひったくり等の軽犯罪への警戒は必要ですが、所持品の管理に注意し、夜遅くにむやみに出歩かない、ひとけのない雰囲気の悪い路地に入り込まないといった当たり前の注意を怠らなければ危険な目に遭う可能性は低いといえるでしょう。
筆者は女性一人でコソボを旅しましたが、特に身の危険や恐怖を感じるようなことはなく、予想以上に平和な印象を受けました。
ただし、2018年1月現在、セルビアとの国境に近い北部の一部地域は、外務省海外安全ホームページ上で「危険レベル2(不要不急の渡航は止めてください)」に指定されており、この地域への旅行やセルビアからの陸路での国境越えはおすすめできません。
なお、首都プリシュティナを含む主な観光地に関しては、危険情報は出されていません。
・首都プリシュティナ
次ページ