リトアニアきっての聖地が、北部の町シャウレイ近郊の「十字架の丘」。2001年には「リトアニアの十字架の手工芸とその象徴」として無形文化遺産に登録されています。
大小の無数の十字架が並ぶ光景は壮絶といってもいいほどで、神々しくもあり、どこか不気味でもある独特の存在感に圧倒されます。
この十字架の丘は、リトアニアにおけるカトリック信仰の象徴で、ソ連時代にはKGBがブルドーザーを使って何度も十字架をなぎ倒し、焼き払ったといいます。
それでもひとつ、またひとつと、無くなるどころか着実に増え続けた十字架の数は5万以上。それぞれの十字架には、巡礼者たちの平和への願いや虐げられた者たちへの思いが詰まっています。
・杉浦千畝ゆかりのカウナス
リトアニア第2の都市カウナスは、「東洋のシンドラー」として知られる日本人外交官、杉浦千畝が活躍した町。1940年、領事代理として旧カウナス日本領事館に勤務していた杉原千畝は、ナチス・ドイツの魔の手が迫る1600人のユダヤ人にビザを発給し、6000人以上の命を救いました。
彼が「命のビザ」を発給したかつての日本領事館は「杉原記念館」として公開されていて、日本とリトアニアの架け橋としての役割も担っています。
古き良きヨーロッパの雰囲気が残るリトアニア。人々の穏やかさや敬虔さに触れるうち、きっと心が洗われたような気になることでしょう。
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