北朝鮮が16日に開催予定だった韓国との「南北高官級会談」を、米韓両軍が行っている合同軍事訓練を理由に、突如中止を表明し、さらに「米朝首脳会談」の取りやめも示唆していることを『羽鳥慎一 モーニングショー』(テレビ朝日系)が取り上げた。これに対し、番組コメンテーターの元AERA編集長・浜田敬子氏は「北朝鮮側の意図としては、いろいろ譲歩してきたのに……」と、軍事演習を行ったアメリカ側を暗に批判し、今回の北朝鮮の姿勢に対し擁護とも取れるコメントをした。
この問題は、11日から韓国で行なわれている米韓合同軍事演習「マックスサンダー」を、北朝鮮が非難。16日未明の「朝鮮中央通信」で、突然「南北高官級会談中止」を発表し、来月12日に予定されている「米朝首脳会談」も中止の可能性をちらつかせている。
番組では、冒頭で「北朝鮮 南北高官級会談を中止 米韓軍事演習に反発か」と題して、アメリカと韓国の空軍合同軍事演習・通称「マックスサンダー」の中身について言及。それによると、この軍事演習は、仮想敵部隊を編成し空中戦術を向上させる目的で2009年から行なわれているという。今年は、例年の訓練に加え、「ステルス戦闘機F22」や「戦略爆撃機B52」が新たに演習に投入され、そのことに北朝鮮が反発しているそうだ。
そして、北朝鮮の反応として「今回の演習は板門店宣言への露骨な朝鮮であり、良好に発展している朝鮮半島情勢の流れに逆行する意図的な軍事的挑発だ」「機会を与えるにも限界がある」などの主張が紹介された。
これを受けて、元AERA編集長・浜田氏は「アメリカ側の意図も、なぜこのタイミングで、こういうことをしたというのかというのも計りかねる」と、2009年から“定例”で行なわれている軍事演習にもかかわらず、一方的に北を挑発しているかのような表現でアメリカに苦言を呈し、「北朝鮮側の意図としては、いろいろ譲歩してきたのにもかかわらず、何だというところもあったと思います」と、独自の持論を展開して擁護した。
浜田氏の発言を受けながら、番組MCの羽鳥慎一も「なんでアメリカも今こうするのっていう? ここがちょっと分からないですね」と同調。もはや、お家芸とも言える、北朝鮮のこうした外交上の“駆け引き”に番組内では批判の声は一切出ず、なぜか北側の意見には寄り添う“違和感”の残る放送内容となっていた。