朝食はビュッフェ式。係の人からお皿を受け取ったら、食べたい分だけ自分でよそっていただきます。メニューは日によって若干異なるようですが、米やチャパティに加え、野菜のカレーや豆のおかずなど、ベジタリアンメニューが基本です。

さらにはあたたかいチャイまでついて、至れり尽くせり。

シク教の寺院では、足の悪い人など地べたに座るのが難しい人を除き、床に直接座って食事をいただきます。そこにいるだれもが地べたに座って並んで食べるのは、カースト制(差別)を否定する意味もあるのだとか。

まさに「同じ釜の飯」。まったく見ず知らずの人でも、隣り合って食事をとるあいだに連帯感のようなものが生まれてくるような気がするから不思議です。

「どんな人にとっても食べやすいように」という配慮がなされているのか、ここで出される食事は辛いわけでもなく、クセがあるわけでもなく、すっと食べられる優しいお味。敬意と感謝を込めて、ありがたくいただきました。

・世界各地のシク教寺院で無料の食事が振る舞われている

無料の食事が振る舞われているのは、バンコクのシク教寺院だけではありません。シク教の聖地であるアムリトサルの黄金寺院では、一日10万食もの食事が昼夜を問わず毎日無料で出されています。

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