■中国共産党が観光客マナーを批判する意外な背景
日本人の皆さんからすれば、なぜ中国共産党の機関紙が中国人観光客のマナーについて批判しているのか、疑問に思われるでしょう。実は数年前から、中国政府は世界中を旅行する中国人のマナーの悪さにお手上げ状態になり、海外旅行中の中国人の違法行為を記録し、素行不良の多い者を渡航禁止にするという対策をとっています。
その背景にあるものは、「中国人のメンツ」を保つためといったこともありますが、年々増えている中国人の海外での消費がもたらした、中国「内需」減少を食い止めるという意味を持ち合わせています。表向きは体裁がよく聞こえる政策に見えますが、裏では中国人の「がめつさ」の意味も包括されていることを、知っておくとよいでしょう。
では、中国人はこのような「がめつさ」は一体、どこからくるのでしょうか?
中国大陸は、数千年以上、一度も民主主義政権を実現していません。その独裁政権が当たり前になって身に沁みついている中国人たちは、「上有政策、下有対策」(上に政策があれば、下に対策あり)という思想の下で生きてきました。これは換言すると、極権制度の抜け穴を探して、うまく利用するという「ズル賢さ」です。そして、その国民性の延長線として、商売相手を平気で欺いた上に、「騙されたやつがバカ、騙した俺は偉い」と自慢する民族性を形成しました。そのような独裁国家の人たちは、民主主義国家において、同じく「ズル賢さ」を見事に発揮して生きているのです。
もう一つ、「ズル賢さ」を発揮したエピソードがあります。
アメリカの大手企業であるAmazonでは、30日間以内であれば、理由を問わずに返品が可能な制度があります。以前、とあるアメリカに移民した中国人が微博(中国のSNS)で、このような投稿をしました。
「Amazonの経営者はバカなの? 私は先週、親戚の高級パーティーに参加するために、Amazonで超高級ブランドのワンピースを注文したわ。パーティーで着用してみんなに褒められたけど、終わった後に、すぐに返品を申し込んで数日後に全額返金してもらったわ。もうブランド品に消費しなくても30日あれば無料で使えるわ」
この投稿はすぐに炎上し、中国人のネットユーザーから「あなたのような下品な女は民主主義国家に行くな!中国人のメンツが丸潰れだ」と批判が殺到しました。
民主主義国家では、Amazonのような、より自由的な経済のルールが常に自国民に安心で最善なサービスの提供があります。これは民主主義国家で生まれ育った国民が自由的なルールを悪用しような民度だからこそ、保証されている制度です。その優れた制度は、「独裁政治慣れ」した中国人に適性がないことが明らかでしょう。
日本にも、同じような現象があります。在日中国人運営の違法タクシーサービス(俗にいう「白タク」)を利用する中国人観光客は、公共交通での消費の妨げになっています。在日中国人運営の違法施設に宿泊する中国人観光客も同様で、日本人経営の宿泊施設からすれば間接的な営業妨害でしょう。さらに、日本観光中に「爆買い」した物品を中国のネットで転売販売すれば、他の中国人は訪日せずとも「爆買い」ができるという、「ズル」が実現できてしまいます。このような「ズル賢い」中国人は、今、たくさん日本に押し寄せてきています。
訪日中国人が多い日本においても、「バッタ災害」が起こらないように、中国人の「ズル賢さ」への対策が求められています。
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