■マスコミが財務省が擁護する理由とは?
高橋氏の指摘にもあるが、日本のマスコミの「スクープ」のほとんどが官僚発のリークである。その意味で、マスコミと官僚たちは利害関係者である。特にいまのような時期では、「消費増税しても対策はばっちり」とか「消費増税しても景気はそんなに悪くならない」というマスコミと財務省のコラボが大展開中である。増税志向の政治家たち、とくにポスト安倍を狙う政治家たちもまたこのような増税脳とでもいうべきスタンスである。財政状況は、あくまでも民間の経済活動の結果でよくもわるくもなる。つまり我々が働くことで実現するのだ。財務省の目論見にしたがうのではない。この基本的なことさえも財務省は理解していない。その実例は高橋氏の著作に実に豊富だ。
このような財務省の「おごり」をどうすべきか。高橋氏は長年、歳入庁を設置して、税金と年金など社会保険料の徴取を統合的に行う機関にすべきだと主張している。私も賛成だ。これにより国税庁という財務省の植民地であり、また税の調査権限という政治家さえも恐れる権力を財務省からとりあげることになる。ただし歳入庁には財務省に一年でもいた人は正規・非正規のポスト含めて一切ノータッチにすべきだろう。金融庁と日銀の経験がそれを教えている。また今回の文書改ざん問題をうけて、高橋氏は「公文書管理庁」の設置も提案している。それに日本銀行の目標を増税目的など財務省の思惑に左右されないように、雇用の最大化と物価の安定に寄与するよう改正すべきである。
またこれは私見だが、トップがセクハラスキャンダルで辞任、そして組織の一部がまるごと関与した文書改ざんなど、財務省の体質は民間であればまさに「ブラック企業」そのものである。そんなところがぬけぬけと今年も国家公務員試験などで若い有能な人材を国家の権限として採用する。国民の厳しい視線をうけ、その体質改善も具体的でない今、今年の採用及びここしばらくの同省の採用は制限すべきである。それでは人材育成に弊害がでるという指摘があるだろう。なにを言っているのだろうか?「弊害」というペナルティを課すために行うべきなのだ。
それで仕事ができないなら、他の省庁の下部組織にでもなって人材を貸してもらえばいいだろう。だが、この財務省という「ブラック企業」は今日も健在で、「天下り」や増税指南に元気である。まさに国家の寄生虫そのものである。
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