そして、この決定方法であるが、まずはそれぞれの部会で審議し、各省庁の官僚と共に政策と予算算定を進める。それを党の政策調査会で審議し、予算配分まで含めた議論を進める。そして、同じ与党である公明党とも調整を重ね、政府に対して党としての意見として提出する。政府はこれを総理が議長を務める「経済財政諮問会議」に掛けて、最終的な政府決定として閣議決定するのだ。

8月下旬、骨太の方針に合わせる形で各省庁から事業予算を積算した概算要求が出され、これを財務相などが取りまとめ調整する形で翌年度の予算の編成作業が進み、12月下旬に政府案が決定され、与党と調整して翌年の通常国会に提出され、翌年の事業計画が決定することになるのだ。

つまり、すべての政策の根本は与党の部会にあり、各分野省庁別に予算を奪い合う形となる政策調査会にあるといえるのだ。そして、そこには野党はいない。国会で野党はモリカケばかり騒いでいるが、本来の政治とは「骨太の方針」の各分野での問題点を指摘し、対案を出すなど政府に改善を求めることなのだと思う。

ちなみに、民主党政権の3年間、骨太の方針が出されることもなく、財務省がほぼ単独で前年度予算を基準に予算編成を担っていた。彼らはこれを政治主導と称していたわけである。

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