都会の人には漁業の話ってナカナカ理解されにくいんだよねぇ。この記事もそうで、たぶん漁師同士がもめてンなぁって程度にしか感じないと思うし、それも仕方ねぇことだとも思う。

この記事を書いてるメディアの連中だって、事の本質を理解してるかどうかわかったもんじゃねぇ。

なんで不満が噴出してしまったか?というと、結局は水産庁の「漁獲枠設定」とその決め方にあるンだ。

この記事は高級マグロが捕れることで有名な青森県大間が中心となってるローカルな話だが、実は去る6月11日(月)に「緊急マグロフォーラム クロマグロ漁獲規制の問題点 資源と共に沿岸漁民の暮らしをまもる施策を」という会合が衆議院第2議員会館で開催されているンだ。

ここには北海道留萌地区・北海道松前地区・北海道戸井地区・青森県大間地区・青森県三厩地区・青森県小泊地区・千葉県外房地区・静岡県沼津地区・和歌山県勝浦地区・宮崎県はえ縄業者・長崎県対馬地区・長崎県壱岐地区定置漁業関係者・沖縄県から沿岸マグロ漁漁業者が集まってきてた。

わざわざ北海道や沖縄、壱岐、対馬といった離島から漁師が、永田町くんだりまで交通費(皆、半端じゃない交通費、しかも自費だ!)をかけてやってこなきゃならない程、深刻な事態なんだ。大間だけじゃなく全国の沿岸マグロ漁師にとって死活問題だってことだ。

ちょっと長くなるが、このフォーラムの開催趣旨をぜひご一読願いたい。

(以下転載)
開催趣旨
クロマグロの第3管理期間の漁獲規制で、沿岸漁村では様々な混乱が生じました。沿岸漁民が違反者・悪者にされたり、管理期間後半に残していた地区の正規割当量の漁獲が強引に国から停止させられたりと漁民の生活権・生存権が脅かされる事態も生じています。この混乱を引き起こしている原因は沿岸漁民にあるのでしょうか?国がすすめた漁獲規制の仕組み、実行体制そのものに問題があったのではないでしょうか?

各地の沿岸漁民は、当初から「資源管理には賛成である。規制をやるなら混乱が生じない内容でやってほしい。規制中にはきちんとした所得補償対策を実施してほしい」と言ってきました。漁獲規制で漁家経営が困難となり、廃業に追い込まれるのでは本末転倒の水産政策です。

5月31日には新たにクロマグロTAC配分案が発表され、大型魚にも漁獲枠が設定されました。少数の経営体である大中型まき網に対しては小型魚1500トン・大型魚3063トンの割当に対して、全国の沿岸漁業全体で小型魚1317トン、大型魚733トンの割当量です。漁協になんの説明もないまま決められたこの漁獲割当量に対して「これでは生活が困難だ」との声が全国各地の沿岸漁業者から寄せられています。

本フォーラムでは、クロマグロ漁獲可能量(TAC)制度の問題点をさぐるとともに、全国各地の沿岸漁業者・団体からクロマグロ規制の問題点の指摘と意見表明をいただきながら沿岸漁業・家族漁業の経営に配慮した規制のあり方について考えます。(以上)

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