だまし絵で有名な大聖堂もチタデル内にあります。1697~1711年にかけて建てられたバロック様式の大聖堂で、シンプルな外観とは対照的に、内部は赤とゴールドを使った華やかな装飾が施されています。

建設当初は、天井にドームを造ることが予定されていましたが、資金不足により断念。苦肉の策として、中から見ると天井がドーム型に見えるようにだまし絵が描かれたのです。

360もの教会があるといわれるマルタで、このようなだまし絵があるのはゴゾの大聖堂のみ。資金不足というマイナス要因から生まれただまし絵ですが、いまやこの大聖堂の名物となっています。

チタデルを見学したら、独立広場の周囲に広がる路地を散策してみましょう。このエリアには、ゴゾの名産のハチミツやオリーブオイル、お菓子や銀細工などを売る、さまざまな土産物屋が並んでいます。

多くの観光客でにぎわうヴィクトリア中心部にありながら、メインストリートを外れると、ひっそりとした静寂が訪れます。

ハチミツ色のマルタストーンの家並みが印象的なマルタですが、ゴゾ島の家々のマルタストーンはひときわ明るく輝くよう。こんな風景を眺めながら歩くだけで、心まですっきりと晴れ渡ってきます。

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