何世紀にもわたって、チタデルは海賊や異民族からの攻撃から逃れるための避難所として使われてきました。16世紀なかばにゴゾ島が海賊に襲われた際には、多くの島民が奴隷として連れ去られてしまったといいます。

その後、17世紀に度重なるオスマン・トルコ軍や海賊の侵攻に備え、より強固な城塞として再建されました。かつて、ゴゾ島の住民は安全のためにチタデルで夜を過ごすことを義務付けられていたほどです。

ヴィクトリア観光の起点となる独立広場の向かいの階段を上っていくと、堅牢で巨大な城砦に圧倒されます。

現在は半分遺跡のようになっているチタデルは、まるで町のなかの町。住民の避難所として機能していたというだけあって、城壁内は非常に広く、教会や博物館、土産物屋、レストランまでが揃っています。

チタデル内では、城壁に沿って歩くことができるようになっていて、城壁の上や展望台からは、歴史を感じさせるヴィクトリアの町並みやゴゾ島の平原が見渡せ、気分爽快。

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