麻生太郎副総理兼財務相は24日、新潟県新発田市で講演し、去年秋の衆議院選挙で「若年層で自民党の得票率が高かった」とした上で「10代、20代、30代、一番新聞を読まない世代です」と発言したことを『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)が取り上げた。

番組では、「けさ 知っておきたい!」のコーナーで「麻生氏 『新聞読まない人は自民支持』」と題して、前日の発言を特集。前述の発言に加えて「(講演会の会場に)新聞社いっぱいいるけれど頭入れておいたほうがいいよ。新聞読まない人たちが全部自民党(の支持者)なんだ」と、講演会に来た人へのリップサービスと、政権批判を連日報道する新聞社に苦言を呈した格好の発言だったが、会場内は、いつもの麻生節に、笑いに包まれていた。

これを受けて、テレビ朝日コメンテーターの川村晃司氏は「これを聞いて、私が思ったのは、麻生さんはトランプ流で来たなと感じがしたんですよね。トランプさんも批判するメディアを徹底的に戦って、共和党内の支持を盤石にしている。麻生さんも大臣としての仕事をトランプ流で来るんでしょうかね」と、話しの流れとは全く関係無いトランプ氏と重ね合わせて、ある意味、麻生氏が気に入らないメディアには圧力をかけているかのような物言いで解説した。

今回の講演会で、麻生氏は、安倍政権批判を繰り広げる新聞各紙に対し、単にクギを刺しただけである。しかも、半ばリップサービスでの範囲内での発言だ。

しかし、発言をあげつらうかのように、これを問題視し、麻生氏の発言を「新聞読まない人は自民支持」と、喑に新聞読んでない人たちを小馬鹿にした上で、「自民支持」が悪いかのように番組では大きくテロップで垂れ流していた。

昨日の講演会で、麻生氏は「インターネットや放送、通信を当たり前のように使いこなせる若い世代の自民党支持率が高いということが、ものすごく大事だ」(共同通信)とも説明している。

だが、番組では講演会の一部の発言を切り取って、しかも文脈を捻じ曲げるような形で「新聞読まない人は自民支持」とクローズアップして放送をした。反自民、反安倍政権の姿勢の報道が恒例行事となっているテレビ朝日の制作班にとっては、本日の放送内容も何の違和感もないだろうが、はたしてこれが公正・中立が原則のメディアと言えるのだろうか。くしくも「新聞批判」をした麻生氏だが、この日の『グッド!モーニング』の放送は、まさにそれに通じる放送内容で、まさに末期症状が見てとれた。