ヴィクトリア時代の霊園に共通するのは、シンプルな形の石版だけでなく、様々な形の墓石の数々。それぞれの彫刻には意味があり、古木の合間に立つ苔むす天使像や、ツタの絡まる崩れかけの墓石は、儚げな美しさを放っています。

宗教を問わない霊園として1840年に開園したアブニー・パークでも、キリスト教のシンボルをはじめとする様々な墓石が見られます。

・アブニー・パークのマスコット・キャラクター?

売店で売られているTシャツに描かれているライオンの墓石の下に眠るのは、主にサーカスの猛獣トレーナーとして活躍し、1912年に没したフランク C. ボストックとその妻。

真っ白な大理石で出来た威厳漂うライオン像は、目をつぶり、静かに眠っています。ホコリや苔で汚れると、繰り返し綺麗に磨かれているようです。

・天使(Angel)

少しうつむき、目を伏せた悲しげな表情の天使像が多く見られます。

天使は神と人間の間を行き交うメッセンジャー。

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