その後はCDの束がよく見つかった。携帯式のCDプレイヤーで聴きながら来たのだろう。あれは電気を食うし、音飛びするから、樹海に持ってくるには向いていない。

最近では、デジタル式の音楽プレイヤーが見つかった。中身はサザンオールスターズの曲や演歌が入っていた。

樹海への携帯品も時代とともに変わるのである。

よく考えると怖い落し物もある。

遊歩道からしばらく奥に進んだ所にポコンとバイクのヘルメットが落ちていた。外側は傷んでいないが、内側には苔がビッシリ生えている。周りには他に捨てられた物はない。

このヘルメットの持ち主は、バイクに乗って樹海まで来たとして、ここにヘルメットを捨てたということは、どうやって帰ったのだろう? 自殺したのだろうか? 確かに樹海周辺には、捨てられた自動車やバイクが見つかることも多い。

財布や、カバンも見つかることが多い。背景を考察するとちょっと怖くなる落し物だ。

最後は遊歩道沿いにある、古いモノを紹介する。

前回は乾徳道場を紹介したが、乾徳道場に向かう道のりにも、見るべきものはある。

まず、しばらく進んだところに木の祠がある。小さい掘っ建て小屋のような建物だが、中には祭壇があり、掃除もされていてお供え物も置かれている。樹海に通うようになってから何度も見ている祠だが、心ない人が火をつけようとしたらしい。壁の板がライターで焼かれたように焦げているのだ。湿気っていて燃え広がらなかったようだが、こういう悪質なイタズラは勘弁してほしい。

もう少し進んだ所には、古くからの道しるべがある。もう風化が進んで読めないが、おそらく江戸時代に流行った富士講の跡だ。

他にも、石垣や、かまどの跡など、歴史的な遺物を発見することも多い。

休日には、青木ヶ原樹海の遊歩道、山道をあるいてみるのはいかがだろう?

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