■「朝日新聞社長の挨拶いる?」SNSに殺到した開会式スピーチ

開会式のあった午前9時時点で、兵庫県南部の気温はすでに30度4分(NHK)、スタンド観戦者の実測では33度との報告もあった。

環境省の熱中症予防の「日常生活に関する指針」では31℃以上で「危険・すべての生活活動でおこる危険性」「高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する」とある。

そんな中、行われた「開会式」だったが、途中で球児や吹奏楽の生徒に水分補給をさせながら炎天下でスピーチを球児たちが聞き続けさせられるという異常な光景が繰り広げられ、SNSでは疑問の声が上がっていた。

批判が集まったのは、朝日新聞社・社長の長すぎるスピーチである。皇太子徳仁親王が3分45秒、林芳正文科大臣も2分30秒とコンパクトにスピーチをまとめられる中、渡辺雅隆社長(59)の挨拶は「戦争」や「日本国憲法」の話を大会にからめて、5分15秒。

もちろん渡辺氏は高野連(日本高等学校野球連盟)最高顧問でもあるから、挨拶すべき役割なのだが、それは同時に球児やスタンドの健康状態を配慮すべき立場でもある。この社是ともいうべき思想を織り込んだ長い挨拶は必要だったのだろうか。

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