ベネズエラ政府は20日、通貨の単位を5ケタ切り下げるデノミを実施した。同国のマドゥロ大統領は、現在流通する10万ボリバルを新通貨1ボリバル・ソベラノに切り替え、仮想通貨「ペトロ」がボリバル・ソベラノの価値を支えるとしていた。しかし、日経新聞によれば、21日午後5時時点でボリバル・ソベラノの市中レートは対ドルで前日比9%下落し、通貨単位の切り下げ後も通貨安は続いている。
ペトロは世界最大級の埋蔵量を誇る原油を裏付けとしており、政府は1ペトロ=60ドルまたは3600ボリバル・ソベラノと設定されている。ペトロは変動し、物価の決定に利用される。
マドゥロ大統領が同国の全般的経済、年金をすべて「ペトロ」に連動するという大望を持つ一方で、仮想通貨投資家やベネズエラ国民は、政府が新通貨を「ペトロ」に連動させるという措置に当惑している。また、ジョン・ホプキンス大学のスティーブ・ハンク教授がペトロについて「詐欺である」と批判したとの報道もある。マドゥロ大統領がツイッターで「ICO(仮想通貨による資金調達)で7億3500万ドルを調達した」と主張したことについても、裏付ける証拠はないとCNBCが指摘している。