◆フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議の主要構成メンバー
シークエッジグループ代表 白井一成
フィスコIR取締役COO 中川博貴
フィスコ取締役 中村孝也
【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】は、フィスコ・エコノミスト、ストラテジスト、アナリストおよびグループ経営者が、世界各国の経済状況や金融マーケットに関するディスカッションを毎週定例で行っているカンファレンス。主要株主であるシークエッジグループ代表の白井氏も含め、外部からの多くの専門家も招聘している。それを元にフィスコの取締役でありアナリストの中村孝也、フィスコIRの取締役COOである中川博貴が内容を取りまとめている。2016年6月より開催しており、これまで、この日本経済シナリオの他にも今後の中国経済、朝鮮半島危機を4つのシナリオに分けて分析し、日本経済にもたらす影響なども考察している。
◇以下は、フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議で議論したことをFISCO監修の投資情報誌『FISCO 株・企業報 2018年春号 −仮想通貨とサイバーセキュリティ』(4月28日発売)の特集『仮想通貨のゆくえと日本経済』でまとめたものの一部である。また、8月3日発売の書籍『ザ・キャズム~今、ビットコインを買う理由~』(フィスコIR取締役COO/フィスコファイナンシャルレビュー編集長 中川博貴著)のダイジェスト版となる。全14回に分けて配信する。
ビットコインは、この世に誕生してからまだ10年も経過していない。2017年に最大20倍以上に膨れ上がったビットコインの価格を見て「中世オランダのチューリップ球根以来のバブル」だと評する声もあったが、これはバブルなのだろうか。ビットコイン投資に機関投資家が本格参入している今、その将来性を悲観するのは早計であろう。貨幣の歴史そのものに立ち返ることで、仮想通貨の本質的価値とその未来、これから日本経済が進むべき道を探る。
~仮想通貨は世界に何をもたらすか~
■日本は「仮想通貨金融センター」となれるか
世界には、輸出できる資源を持たずに貿易で不利な立場に置かれていたところ、「金融立国」の道を選んで花開いた国々がある。シンガポール、香港、スイス、ルクセンブルクなどだ。また、金融業は労働者の賃金を上げやすいため、先進国が推進すべき十分な動機がある産業といえる。
しかも、平日の昼間たった5時間しか空いていない株式市場や、夜間も開いているが週末や祝日にクローズするFX市場と異なり、仮想通貨市場は24時間365日、常に開いているというアドバンテージがある。その分、取引所が収益を上げられるチャンスが増えるわけだ。
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