欧米のマスメディアは中国で猛威を振るっている、豚の感染症「アフリカ豚コレラ」を大々的に報道していますが、日本のテレビと新聞紙はほとんど報道しないようです。中国政府は、この件を必死に報道規制し、一般人のSNSへの投稿も削除された上に、投稿者を逮捕するという事態を起こしています。

こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。

8月28日、FAO(国際連合食糧農業機関)の発表によると、該当ウィルスの種類はASF(アフリカ豚コレラウイルス)と呼ばれるもので、未だにワクチンがないため、豚が感染したら致死率100%と言われています。しかし、人間に感染する可能性はなく、豚のみの大量死ですが、人間の食料供給にも大きな影響を及ぼすことが懸念され、ウィルスの拡散感染を防ぐために、中国政府はすでに4ヵ省、総計2.4万匹超えの豚を殺処分しました。

このウィルスの生命力は強く、極寒と極暑の天候でも生存でき、さらに干す・漬けるという加工手段にも耐性が有り、豚肉に強く付着しています。アジア諸国、特に日本などの隣国に迅速に蔓延するリスクが高いと言われます。

国際連合食糧農業機関の公式ホームページ
「Outbreak of African swine fever threatens to spread from China to
other Asian countries」(英語の記事)
http://www.fao.org/news/story/en/item/1150618/icode/

これは決して煽りではありません。すでに韓国でも、感染を懸念する混乱が広がってるようです。

日本でも空港などで検疫を強化しており、現在、中国産の肉の「加工食品の持ち込み」を厳しく取り締まっています。たかが加工食品と思うかもしれません。しかし、農林水産省に問い合わせてみても「経口感染だけではなく、感染した豚の肉を食べた豚に発症するケースも見られる。人間用の加工食品であっても、どのような経路で豚の口に入るかわからない」(消費安全局動物衛生課・防疫業務班)との危険性を示唆していました。

私の著書、『中国が絶対に日本に勝てない理由』「扶桑社BOOKS)でも取り上げていますが、日本でも加工食品や外食に中国産の豚を使用しています。池袋駅から徒歩すぐの場所にある、在日中国人経営の「業務用食材スーパー」を取材した際にも、周辺の中華料理屋がそこから豚肉を購入していることを証言していました。

万が一、中国産の豚肉や加工肉から日本産の豚にウィルス感染したら、日本の養豚場の豚が死滅、結果として日本の豚肉価格が高騰、食糧難になります。日本政府は今からでも中国産の豚肉及び加工食品を輸入禁止、中国人が経営している中国産食材スーパーの一時閉店を指示しておいても、転ばぬ先の杖になると思います。

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