■アフリカ豚コレラの拡大は習政権と米中貿易戦争による人災か

ここまで書くと、アフリカ豚コレラウイルスはアフリカか、中国が発生源と思われる方が少なくないかもしれません。

中国の地方メディア財新網は8月24日に、以下のように報道しました。「中国のアフリカ豚コレラウイルスの起源はロシアの可能性がある。2017年末にロシアに蔓延しているアフリカ豚コレラウイルスのDNA配列が、現在中国に蔓延しているウィルスと完全に一致した」。しかし、記事は即、中国政府に削除されています。

まったく同じ情報をイギリスのBBC通信でも報道
https://www.bbc.com/zhongwen/simp/chinese-news-45296399

2017年3月にロシアで持続的にアフリカ豚コレラウイルスが蔓延している。

2016年時点では、中国市場の外国産豚肉輸入国は、アメリカ、それ以外デンマークやベルギー、イギリス、ドイツなどであり、それらの国々の豚肉を少量輸入しています。以下の統計では中国に輸入した豚肉はアメリカ産が1位です。このランキングにロシア産が見当たりません。

http://www.lonfood.cn/baike-206.html

今回のように異例ともいえる、ロシアから豚肉を輸入する理由は「アメリカ産ボイコット」のためです。中米貿易戦争により、習近平政権はアメリカの農産品に高い関税を課せる「報復措置」に対し、アメリカの豚肉を輸入しないように行政命令を下しました。しかし、豚肉は漢民族の主なタンパク源として中国での自給が足りず、その対策として、中国政府はロシアから豚肉を輸入し始めたのです。

今回のアフリカ豚コレラウイルスの発生源は、最初は黒竜江省から浙江省へ、中国の北方からとみられますが、その前にロシアですでにアフリカ豚コレラウイルスが発生しています。中国政府はアメリカと貿易戦争するために、ロシアのアフリカ豚コレラウイルス災害にも関わらず中国に輸入しました。

「アメリカ産の豚肉を反撃!トランプ悲鳴、ロシアは火事場の泥棒?」(中国語報道)

「ロシアは中米貿易戦争を便乗して、中国に大量の豚肉を輸出する漁夫の利を狙う」

http://www.sohu.com/a/227289485_334198

中国のアフリカ豚コレラウイルス対して、現時点(8月末)で産経新聞と読売新聞以外は報道されていません。中国共産党が報道規制する情報を、日本のマスコミが報道しないのは、やはり中国政府に忖度したとみられます。

このようにして、中国共産党は自らの政権運営を優先した結果、中国国民と中国の養豚業者、さらにアジア隣国の国民の健康と食料に危機をもたらしかねない、「完全なる人災」を引き起こしました。中国共産党の横暴を放置すると中国国民だけではなく、地球規模の災いをもたらしかねません。