城と聞いて、ヨーロッパの王侯貴族のきらびやかな城を想像すると、少々雰囲気が異なります。防衛目的の砦に端を発するだけに、その姿は堅固な城砦といった趣。
クライストチャーチや聖パトリック大聖堂など、ダブリンを代表するほかの建造物もこれに通じる雰囲気をもっているために、街並みに調和が生まれています。
城は内部も見学可能ですが、ヴァイキング時代の砦の一部が見られる地下遺構はガイドツアーでのみ可能。時間に余裕があれば、ぜひガイドツアーに参加しましょう。
地下遺構では、ダブリン城建設当初の城壁やパウダータワー、さらにそれよりも古いヴァイキングが築いた壁を見ることができます。「秘密の部屋」といった雰囲気たっぷりの空間だけに、ダブリンの歴史の深部に迫っているような特別感が味わえるはず。
ダブリン城見学の中心となるのが、国の応接室兼歴代総督の居城として建てられた「ステート・アパートメンツ」。
ダブリン城の質実剛健な外観とは裏腹に、ウォーターフォード・クリスタルのシャンデリアやイタリアの大理石、豪華なカーペットなどの調度品に彩られた豪華な空間で、第一次世界大戦中は一部が赤十字病院として使われた歴史もあります。
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