ひときわ大きな部屋である、セント・パトリックス・ホールは、アイルランドで最も重要な式典の間のひとつ。

18世紀なかばに城の宴会場として造られたもので、天井にはイタリア人芸術家ヴィンツェンツォ・ヴァルドレによる、アイルランドとイギリスの関係を表す壮大な絵画が描かれています。

アイルランドの独立後は、アイルランド大統領の就任式会場として使われており、新たな歴史を刻んでいます。

ステート・アパートメンツに加え、併設の教会「チャペル・ロイヤル」も必見。19世紀にゴシック様式で建てられた教会で、現在見られる建物は1989年の復元によるものです。

なかでも目を引くのが、レースのように精緻に刻まれた天井と柱の装飾。白壁にダークブラウンのオークの建具がよく映え、華やかな気品を感じさせる空間は、ダブリンで最も美しい教会のひとつです。

「ダブリン発祥の地」ともいえる長い歴史をもち、今では大統領の就任式や国際会議の場としてアイルランドの歴史を見守っているダブリン城。

確かに、かつてはイギリス支配の象徴だったかもしれませんが、今ではアイルランドの歴史と独立の象徴ともいえるのではないでしょうか。

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