9月に起こった大手仮想通貨取引所ザイフから約70億円(約6200万ドル)相当の仮想通貨がハッキングによって流出した事件で、複数の有志が協力して、盗難の際に利用されたネット上のIPアドレスを特定したことが一部報道で明らかとなった。

特定されたIPアドレスはヨーロッパにあるサーバー貸出業者のもので、すでに日本の金融庁と警察当局にも情報共有されており、サーバー貸出業者の協力が得られて契約者が開示された場合、犯人とつながる重要な手掛かりが明らかとなるのではと期待されている。

アドレスを特定したのはネット上で集まった有志によって構成されたホワイトハッカー達で、国内のセキュリティ専門家やIT企業のCTO、また大学生らの6名。9月20日のハッキング事件発覚後、秘密裏に仮想通貨モナコインの送金ネットワークを追跡し、盗まれた資金が再送金される際に利用された複数のIPアドレスを特定することに成功した。

国内では、今年1月にも大手仮想通貨取引所コインチェックから不正送金で約580億円が流出するという被害があり、秋のザイフのハッキング事件も受けて規制強化と業界再編の動きが続いている。

先月、金融庁に自主規制団体として認定された日本仮想通貨交換業協会は、11月1日より「みなし業者」の入会受付を開始した。仮想通貨交換業者は2017年4月施行の改正資金決済法によって金融庁への登録が必要となったが、思考前から事業を行っていた業者については登録申請段階でも「みなし業者」として事業を継続できることになっており、10月30日から新規口座開設を開設したコインチェックもこれに該当する。自主規制団体は、このみなし業者も含めた広範の自主規制へと踏み出す構えだ。