「ナポリを見てから死ね」という言葉があるように、その風光明媚な景観が訪れる者たちを魅了してきた町ナポリ。地元の人や観光客で賑わう中心部から少し離れると、サンタルチア地区の紺碧の海のうえに美しい要塞がそびえ立っています。
要塞の名は「卵城」。12世紀に築かれたといわれている石造りの要塞は、ナポリ観光のハイライトのひとつでもあります。
ところでなぜこの建物に「卵城」という面白い名が付けられたのか、みなさんも気になりませんか?
その名の由来は、この要塞の建設にまつわるある伝説が関係しています。その伝説によると、要塞を築いたノルマン人は建物の基礎部分に卵を埋め、「この卵が割れる時には、城もナポリも滅びる」と呪文をかけたというのです。
卵が埋め込まれたという伝説から「卵城」という名が付けられた要塞。もしこの伝説が本当であるのなら、建物の下にはまだ特別な呪力で守られた卵があるのかも・・・。こんな風に想像してみると、とてもファンタジー味にあふれた興味深い場所でもあるのです。
かつては要塞として町を守っていたほか、時代が下ると王の居城として栄華を誇った卵城。現在は廃墟と化しており、当時の様子を伺い知ることはほとんど不可能に近いです。とはいえ、狭い通路や頑丈そうな建物からは、ここが屈強な守りの城であったという事がよく分かります。
見晴らしの良い屋上部分には大砲が並んでいます。かつて要塞や城として使用されていた際は、このようにして敵からの攻撃に備えていたのでしょう。
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