日本三名園のひとつ、特別名勝・兼六園で有名な石川県金沢市。

日本海に近く、練り物にする新鮮な魚のすり身が手に入りやすかったから、あるいは冬の寒さが厳しい北陸という土地柄なのか、金沢市は日本でいちばんおでんが食べられている地域と言われています。

そんな加賀百万石の街、金沢で昭和11年から美味しいおでんを提供しているお店がある事をご存知でしょうか?

今回は、金沢の美味しいおでんを楽しめるお店「おでん 高砂」をご紹介しましょう。

・昭和11年(1936年)創業の金沢が誇る老舗のおでん屋、それが「おでん 高砂」
こちらのお店は城下町・金沢が誇る食の街の1つ、柿木畠(かきのきばたけ)商店街にお店を構える老舗のおでん屋さん。

創業は昭和11年(1936年)というから、いまから80年以上前から、多くの人々の舌を唸らせつづけた、おでんの名店といえるのではないでしょうか。

こちらのお店の創業昭和11年(1936年)といえば、第二次世界大戦が始まる1939年の3年ほど前。

当時は東京地方に54年ぶりの大雪が降り、2.26事件が発生するなど日本国内は混沌とした時代へと突入し、スペインではゲルニカにも描かれたスペイン内戦が勃発するなど、世界全体が混沌とした状況へと進んでいる時代でした。

そんな時代に生まれたおでんのお店はいまでも変わる事無くおいしくて暖かいメニューを提供し、多くの人々の胃袋を満足させています。

・心も体も暖まるおいしいおでん、それが「高砂」のおでん
高砂のおでんは、金沢では珍しい関東風の味付け。

もともと金沢の文化圏としては京都なので味付けは京都風のものが多いそうですが、こちらのおでんは濃口醤油とカツオだしでじっくりと煮込んだ濃厚な味わいのおでんを堪能する事ができます。

じっくりと丁寧に煮込まれたネタはそれだけでも非常においしいのですが、こちらの「高砂」では、生姜味噌をかけて味わいます。

この生姜味噌が非常に美味。

暖かくて濃厚なおでんを、さらに暖かく、おいしく味わう、生姜味噌は、寒い金沢の冬をより暖かく味わうための店主の工夫なのかもしれません。

次ページ
  • 1
  • 2