SBIホールディングス子会社で仮想通貨関連のベンチャー企業への投資を手掛けるSBIクリプトインベストメントは21日、安価で強固な仮想通貨コールドウォレットを開発するスイスのSmart Cash AG(スマートキャッシュAG)社へ出資したと発表した。

コールドウォレットとは、インターネットから切り離された環境で仮想通貨を保管するもので、資産をハッキングなどの被害から守る保管方法だ。

スマートキャッシュ社は、低価格での生産が見込まれている薄型のコールドウォレット「タンゲム・ノーツ」を開発している。安価であることにより、仮想通貨を含むデジタルアセットの物理的な保管等の用途で使用が想定されており、こうしたウォレットの特徴が、SBIグループが推進するデジタルアセット事業における取り組みを加速するだろうとの考えから、今回の出資に至ったとしている。

SBIでは今回のスマートキャッシュ社以外にもセキュリティ関連やウォレット関連の企業への出資や連携を強化している。昨年3月には仮想通貨のコールドウォレット事業を展開するCoolBit Xに出資した(出資比率は40%)。また暗号鍵の管理システムを開発するデンマーク企業のSepiorには49%の出資を行っている。Sepiorとは、SBIが運営する仮想通貨取引所SBIヴァーチャルカレンシーズ向けのウォレットを共同開発している。さらに、今月15日には、スイスの仮想通貨ウォレット企業Breadwinner AG(ブレッドウィナー)に出資したと発表している。

発表に際し、同社は、引き続き高い技術力を有するデジタルアセット関連ベンチャー企業への出資・提携に注力し、SBIグループ内の既存のデジタルアセット関連各社とのシナジーを追求していくとの意向を示している。