JPモルガン・チェースのCEOであるジェイミー・ダイモン氏は、ビットコイン(BTC)がピーク時から80%下落していることについて、「満足できない」と語ったことがCNBCのインタビューによって明らかとなった。
ダイモン氏は、昨年9月に「ビットコインは詐欺だ」と発言し、他にも仮想通貨について「チューリップ・バブルよりひどい」「いつの日か代償を払うことになるだろう」「(社員が)取引したらクビだ」など、強烈な批判を展開していた。しかし、ダボスで開催された世界経済フォーラムにおいて、CNBCが「ビットコインが80%下落して満足しているか」と尋ねたところ、「まったく」と答えたという。
同氏はブロックチェーンについては高く評価している。2018年1月には一部メディアのインタビューにおいて「あの発言を悔やんでいる。ブロックチェーンは本物だ」とコメントしたことが各所で取り上げられ、市場でも話題となった。仮想通貨の土台となるブロックチェーンについても「デジタルの円やドルを誕生させることが可能だ」と指摘していたようだ。
今回のインタビューでは、ブロックチェーンについて、「株式取引ほど最適ではないが、特定のオンライン・データベースの代替手段として使うほうが良いだろう」としたうえで、「ブロックチェーンは本物のテクノロジーだ。常に最新の状態に保たれており、全ての人がデータベースにアクセスできる」と述べたとみられている。
2017年10月、JPモルガン・チェースは、国際間送金において検証のために必要となる人数を大幅に削減し、取引時間を数週間~数時間に短縮するブロックチェーンベースのシステムを発表した。
2018年5月には、銀行間や銀行内での決済にブロックチェーン技術を活用するP2P送金ネットワークについて、米国特許商標庁に特許申請を提出している。その後、同年9月には、同ネットワークが75以上の金融機関が参加するまで拡大したと報じられた。日本からはみずほフィナンシャルグループのみずほ銀行、りそなホールディングスのりそな銀行、三井住友フィナンシャルグループの三井住友銀行などが参加している。