オーストラリアの歴史が始まった街、ニュー・サウス・ウェールズ州のシドニーは、オーストラリア最大の都市として知られています。

そんなシドニーのビジネス街の南端に開業から100年を超えるニュー・サウス・ウェールズ州の遺産に登録された駅があります。

それが今回ご紹介する「セントラル駅(Central Station)」です。

セントラル駅は、ハイマーケット(Haymarket)地区、サリーヒルズ(Surry Hills)地区まで広がっており、西はピット・ストリート通り(Pitt Street)、北はエディ・アベニュー通り(Eddy Avenue)、東はエリザベス・ストリート通り(Elizabeth Street)、南のデモンシャー・ストリート通りトンネル(Deconshire street Tunnel)までのシドニー・ビジネス南部エリアに面しています。

ここまでの広い駅を完成させるのにも時間がかかりました。

最初の鉄道ターミナル、デボンシャー・ストリート通り(Devonshire Street)の駅舎の建設は1855年(安政元年)に始まりました。

最初は開通を間に合わせるため、木材と鉄材でできた一時的な駅舎でしたが、1870年代にはレンガ材に置き換えられていきます。駅の増設にともない、周りに建てられていた小さな駅舎が取り込こまれていき、最終的には現在の駅舎へと変貌を遂げ、ついに1906年(明治39年)に完成しました。

現在、セントラル駅は1から25のプラットフォームが使用されています。

駅舎が完成した1906年当時は、蒸気機関車の時代。

天井にはガラス窓があったにも関わらず、蒸気機関車のすすでガラス窓が汚れているために非常に駅舎内は暗かった、というエピソードが残っています。

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