藤巻議員は、出版した書籍などで「持つべきは、米ドルと仮想通貨」と、以前より提唱している。昨年11月に掲載したコインポストのインタビューで以下のように述べ、仮想通貨を保有する意義について力説していた。
「私は、仮想通貨を持つべき意味は二つあると考えていて、社会においてブロックチェーンが重要な役割を持つようになるだろうというのがまず一点。特にパブリック型のブロックチェーンだと、どうしてもマイナーが必要だから仮想通貨が必要になるということと、通貨自身も将来発展するのではないかと思うので将来に賭けるという意味での仮想通貨。
もう一点は、日銀破綻が訪れた際の避難先としての仮想通貨で、二重の意味で推奨している。特に後半部分だが、「日銀破綻」など不測の事態は、ある日突然訪れかねない。そのような緊急時に、みんなが逃げるのは仮想通貨である。2013年に発生したユーロ圏の「キプロス危機」にしたって、中国だって一応資本統制なんかがあると、資金逃避先に逃げることになる。
米ドルを海外の銀行口座に持っていくのは一つの手段ではあるが、一般人には敷居が高く容易ではない。仮に米中貿易戦争などで中国の法定通貨である「人民元」が安くなったとしても、国が資本統制している国で米ドルなど外貨に替えるのは困難だ。
そんな時に最も手軽なのは、仮想通貨に資金を逃すことだ。だからキプロスとか、キプロスをタックスヘイブン(租税回避地)に使ってたロシア人とか、まさにそう。
私は将来、日銀デジタルと仮想通貨の併用になるのではないかと考えている。日銀デジタルは、現金そのものがなくなって、民間の銀行ではなく日銀に預金口座を持つというものだが、それをケニアなど海外の人が使うかといったら使わない。
国境を超えた国際間ビジネスは、仮想通貨でないと難しい。仮想通貨が使われるようになると、国際間の取引がものすごく増えるのではないか。仮想通貨であれば、銀行口座を持たない発展途上国の人々への寄付金なども、すぐに送金出来るというメリットがある。」
通貨不安時に高まる仮想通貨需要
今年1月、世界最大の仮想通貨取引所バイナンスは、欧州市場で仮想通貨の普及促進を行うための拠点となることを見込み、英国とフランスの間に浮かぶ英王室属領のジャージー島に「Binance Jersey(バイナンスジャージー)」を設立した。
ユーロや英ポンドとビットコインやイーサリアムを交換可能な仮想通貨取引サービスを公表したところ、新規の口座開設申し込みが殺到。
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