以下は、フィスコソーシャルレポーターの暗号通貨研究家の平野淳也氏(ブログ「JunyaHirano.com」、Twitter: @junbhirano)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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EOSは、汎用性の高いスマートコントラクトプラットフォームであり、そのコンセプトはEthereumに近いです。約1年に渡るICOを実施し、4000億円を超える金額を調達、2018年6月にメインネットをローンチしました。

Ethereumを上回るブロックチェーンになるのではという期待もされており、EOSの支持者はEOSを「Ethereum Killer」とも呼びます。しかしその処理能力に対して分散性を捨てているという意見もあり「EOSはパブリックブロックチェーンとは呼べない。」という声も少なくありません。

とはいえ、EOSは、新しく提案されているひとつのブロックチェーンの形式として、非常に興味深い事例ですし、今後さらに影響力を増す可能性も十分にあります。

EOSは2017年6月にホワイトペーパーが公表され、1年後、今年にメインネットがローンチしたブロックチェーンです。

サードパーティーやユーザーはEOSの上で、DAppsやブロックチェーンに関連をするアプリケーションを動かすことができ、スマートコントラクトの記述ができます。

EOSの特徴は、処理能力の高さであり、スケーラブルなブロックチェーンであるという点で、ブロックタイムは0.5秒で秒間数百万のトランザクションを処理できるプラットフォームであるとしています。

ビットコインが秒間7件、Ethereumが秒間30件であることに対して、処理能力が高くなっていますが、当然、それはなにかしらのトレードオフのうえに成り立ちます。具体的には、EOSのブロックチェーンは21の少数のノードがバリデータとなり、運用されます。

このノードの選出方法は後述しますが、この点こそEOSがビットコインやEthereumなど馴染みがあるブロックチェーンと異なり、また批判を受けるところだと言えます。

加えて、EOSは、ユーザーはトランザクション手数料が無料です。とはいえ、ユーザーがトランザクションを行う際には確かに無料であるのですが、ブロックチェーンにおいて、その利用料が完全に無料ということはあり得ません。そのコストを裏で負担している仕組みはあります。

EOSは、一言で言えば、「安くて(無料)・早い・スケーラブルなブロックチェーン」です。

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