EOSがその処理速度を可能にしているのは、コンセンサスアルゴリズムにBFT-Delegated Proof of Stake(以下Dpos)を採用している点です。BFTは、Byzantine Fault Tolerant(ビザンチン障害に耐性がある)DPoSをアップデートしたコンセンサスアルゴリズムです。
ブロックチェーンは、少数の処理能力の高いコンピュータで運用をしたほうが、全体のネットワークの処理スペックは向上します。トランザクションが増えてブロックサイズが大きくなっても、ブロックタイムが短くとも、処理能力が高いサーバーで管理されたノードと、整備された帯域幅のノード同士であれば、通信ができます。
それでは、そもそも分散性がないのではという議論も引き続きありますが、この前提のまま少数のノードでもうまくいくのではないかという仮説にもと設計されたコンセンサスアルゴリズムがDPoSです。
これは通常のPoSの仕組みを応用したもので、通常のPoSは、ネットワークのネイティブトークンをステーキングした人がブロック生成に参加できることに対して、DPoSでは、ネットワーク参加者がネイティブトークンをロックアップして各自が推薦するノードへ投票できます。
そして、その投票によって選ばれるノードが合計21であり、ブロックチェーンの検証を行います。この21のノードはEOSのネットワークでは、Block Producersと総称されます。
21のBlock Producersは、投票で得られた票数割合をもとに、ブロック生成をする権利を得ます。このノードは21ブロック毎に変化して、その変更は、トークンホルダーの投票によって行われます。ブロック生成におけるブロックリワードをBlock Producersは受け取ることができます。EOSは、年間5%インフレします。
Block Producersになりたいプレイヤーは、「自分がBlock Producersになったら、エコシステムのためにこんなことをする」「投票をしてくれたら金銭的リワードが与える」など様々な選挙活動を行います。
この点で、DPoSは民主主義的思想から成り立つシステムです。このBlock Producersは、ネットワークでの方針を決める様々な投票権も持ちます。
また、EOSでは、プロトコル自体の方針をBlock Producersの間で、再度投票をします。EOSのソフトウェアのアップデートは、Block Producersに委ねられるということです。その点ではEOSの仕組みは、間接民主制的なシステムだと言えます。
このように投票によって選ばれる少数のノードによってバリデートされ、高い処理能力を実現することがEOSのオーバービューだと理解すると良いでしょう。
以上が、EOSに簡単な解説です。より深いEOSの概観について、また業界全体におけるビジネス分析などもブログで定期的に情報発信しています。
※2018年8月26日に執筆
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執筆者名:平野淳也
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提供:合同会社d10n Lab
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