一般的に膨大な電力が必要とされることから環境破壊に加担していると見られるビットコインのマイニングに使用される電力のおよそ4分の3は再生可能エネルギーによって供給されていることがCoinShareの6月発表の調査報告「ザ・ビットコイン・マイニング・ネットワーク」(The Bitcoin Mining Network)で新たに判明した。

ビットコインの採掘において「再生可能エネルギーが大きな役割を担っている」ことのほか、マイナーの分布も詳細に記載したレポートである。再生可能エネルギーとは水力、太陽光、風力等の半永久的に自然界に存在するリソースを利用するエネルギー源を指す。

マイニングが盛んに行われているアイスランドなどの政府機関が、仮想通貨マイニングの環境破壊に大きく影響しているとの見解を示すなど、世界的に電力を前提としたネットワークの稼働状況に疑問の目が向けられていた。今回のレポートでは、膨大な電力の消費量があることは認めつつも、再生エネルギーの割合が大きい点を指摘。環境に及ぼす影響をエネルギー割合から算出して「世界中に存在するほぼ全ての大規模産業に比べ、再生可能エネルギーが大きな役割を担っている産業である」と位置付けた。

このレポートで指摘されるBTCマイニングにおける再生可能エネルギーは、大部分が水力発電であり、マイニングファームが集中する中国の四川省で水力発電が盛んにあることが大きな理由の一つになっているようだ。

ビットコインマイニング、50%は中国四川省
世界各国におけるマイナーの分布も公表。下記図を参照すると中国四川省が世界のマイニングシェア(Global Mining Share)は50%を占めているなど、相当数のマイナーが一極集中化していることがわかる。これは仮想通貨マイニングが、電力を安価で手に入る地域に集中していることを示すデータで、電力供給自体のコスト面とその供給量の多さが四川省に集中する理由の一つにある。

なお、マイナー分布1位の四川省は実に約90%のマイニング機器が再生可能エネルギーを利用しているという。

マイナーの分布とその特徴
中国以外の分布も含めて考えた時、世界中のマイナーが集まる地域にどのような分布、または特徴があるのかというデータも掲載された。調査の結果では、以下の特徴を持つ地域でマイナーが多く分布する傾向があるという。

• 技術的に先進している
• 比較的人口がまばらに存在している
• 流れの速い川が横断する丘陵、山岳地域

次ページ
  • 1
  • 2