中国に位置する四川省も、これら3点の特徴を持つ地域であるほか、マイニングが盛んな米ワシントン州やカナダの東西、またスウェーデンもこれらの地域と類似した地理的特徴を持つ地域となる。

結局ランニングコストとしてもっとも大きなシェアが電力代に集中する仮想通貨マイニング事業において、電力費を抑えるプロセスが、これら自然エネルギー発電が盛んな地域へと集中、結果として自然エネルギー比率の高い電力消費構造を作り上げていることになる。

レポート結果から見る仮想通貨投資への注目ポイント
このレポートで、マイニング業者の分布や中国のマイニング業者シェアがどれほど大きいかが現実的な数字として見えてきた。

レポートでは実に60%が中国に集中し、そのうち90%近い業者が四川省に集中していることがわかったが、ここまで寡占化している状況から、ビットコインエコシステムに中国がどれほど影響するかが見えてきたデータにもなる。

影響としては中国がマイニングを禁止した場合も考察点として見ることはできるが、現在豊水期として電力代が大きく下がっている(最大で50%安近い変動率がある)中国の四川省における電力代の変動によるマイナー収益への影響が、現マーケットにおける相場の影響面でどれほど大きいのかというポイントとして注目することができる。

マイナーの電力費は、マイナーのランニングコストの大部分を占めているため、電力費が下がることで、マイナーの懐事情にも大きな影響を及ぼすが、市場へと影響する理由には、通貨の新規発行の権利を持つマイナーの動向(市場への供給量の増加)を左右する動きへと繋がる可能性があるためだ。

中国の豊水期は6月の雨季の時期から始まっており、電力も徐々に減少傾向にあるという。ビットコイン相場は厚い100万円の壁に阻まれ方向性を見失っている状況にあるが、今後市場におけるトレンドに、中国の四川省の電力状況が影響する可能性は考えて見ていきたい。

(記事提供:コインポスト)
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