ビットコインは日本時間17日、10,000ドルを割り、前日比-11.45%の下落幅を記録している。ビットコインの1万ドル割れは、6月21日の突破以来、今回を含め計4回になった。
下落を誘発した要素として、テクニカル的要素のほか、米上院で開かれた初めてのフェイスブックに対するリブラ公聴会や昨日の米財務長官の発言もその要因とされている。この急落を受け、経済・仮想通貨アナリストAlex Kruger氏は米政府直近の仮想通貨に対する懸念感と批判が弱気相場を引き起こしている悪材料になり得るとしている。
「仮想通貨業界は「強気」を見せるが、米政府がビットコインに対し、不法行為の資金源や架空に作られた価値、さらには投機性などを指摘することは、おそらく弱気と売りの始まりだろう。どうやら多くの米政治家は仮想通貨が資金洗浄や麻薬密売で利用されていることを信じているが、このような観念を変える必要はある。」
12日にトランプ大統領がビットコインやリブラに対して批判し、16日に米財務長官もビットコインやリブラに懸念を示していたが、17日には、フェイスブックの仮想通貨責任者であるDavid Marcusは国会上院の銀行委員会による公聴会に出席し、議員陣に対して、フェイスブックとリブラに対する政府の懸念や不安を払拭しようとした。
しかし、この公聴会の重点はむしろ仮想通貨リブラでなく、フェイスブック社のデータプライバシーの取り扱いに対する強烈な不信感だった。「ビットコイン」とのワードも複数回取り上げられたが、主要トピックではなかった。
民主党の幹部議員Sherrod Brown氏は初めに「フェイスブック社は危険であり、アメリカ大衆の信頼に値しない」と、痛烈批判を繰り出した。Brown議員や同席のMcSally議員は仮想通貨リブラに関する質疑を始める前に、フェイスブックがこれまでのプライバシースキャンダルがユーザーや国民の信頼を損なっていることを非難した。
フェイスブックのMarcus氏は、信頼問題からリブラの話題へ移し、リブラを管理する企業はフェイスブックだけでなく、様々な企業が参加する「リブラ協会」によるものと強調した。リブラ協会のスイスにおける設立に対して、Brown氏は再び不信感を示した。
「フェイスブックがスイスに設立したリブラ協会が仮想通貨リブラのようなグローバル通貨を管理することにはとても頼り難い。実際、20億人以上のユーザーへのアクセスができるのはフェイスブックだから。」
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