チャイは、トルコでの日常生活において欠かすことができない飲み物です。日本で馴染みのある紅茶とは少し違い、ミルクを入れずに飲むのがトルコ流です。トルコでは朝食のとき、出勤してちょっと一息つくとき、友達と時間を過ごすとき、お店で客をもてなすときなど、一日の中のありとあらゆるシーンでチャイが登場します。チャイの存在を知らなくても、トルコを訪れればきっとチャイを飲む機会が何度もあるはずです。
このようにトルコの生活にすっかりと馴染んでいるチャイですが、実は種類がいくつもあります。最もよく飲まれているのは黒海沿岸のリゼ県が名産のチャイですが、アップルやローズヒップ、セージなどの種類も好んで飲まれます。
数あるチャイの中でも、味に癖がないため飲みやすく、リラックス効果があるとされるウフラムル・チャユ(Ihlamur çayı)は、トルコに来たらぜひ飲んでおきたいチャイのひとつです。
ウフラムルとはシナノキ属のリンデンの花のことです。葉や茎に星状毛という細かい毛のようなものが生えている植物で、甘すぎない香りがします。観賞用としてだけではなく、乾燥させてハーブティーとして愛飲されています。
ウフラムル・チャユの効果には、心をリラックスさせる、緊張や不安を軽減させる、頭痛を和らげる、呼吸器系の不調を和らげる、などがあるとされ、普段より少し調子が良くないなというときに特に好んで飲まれています。
そんなウフラムル・チャユをイスタンブールで見つけるのなら、400年以上の歴史を持つエジプシャン・バザールがおすすめです。
1597年の建設当初はイェニ・チャルシュ(新しい市場)と呼ばれていましたが、18世紀頃からエジプトから輸入される香辛料を多く取り扱うようになったためムスル・チャルシュス(エジプシャン・バザール)と呼ばれるようになりました。現在もスパイスや茶葉、ロクムやバクラヴァなどの食材、ランプやアクセサリーなどの雑貨が販売されており、多くの旅行者や地元の人たちで賑わうイスタンブールの観光名所の一つとなっています。
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