1868年(明治元年)9月8日、一世一元の制を定められたうえで、明治と改元されたことによって始まった明治時代。
そんな明治の時代には多くの海外の文化が流入し、それによって、日本においても多くの発明や技術発展が勃興します。
そんな急激な西洋化が進む日本において、今なお多くの人々に愛されている、ある画期的なグルメが誕生します。
それが日本が世界に誇るべきグルメの1つ、洋食。
トンカツ、オムライス、カキフライ、エビフライ、ハヤシライスなど、誰もが知っているこれらの代表的な洋食メニューは、実は1895年(明治28年)に銀座ガス灯通りに創業した1軒のフランス料理店「煉瓦亭」から生まれ、以降、多くの人々に愛されることになります。
そして明治に生まれた画期的な洋食メニューは、時代を超え、距離を超え、日本各地で大きく広がり、その土地土地でさらに多くの人々から愛されることで、独自の洋食文化の花を開花させ、今なお多くの人々に愛されつづけています。
例えば、広島が誇る美味しい老舗洋食店「ますゐ」で愛され続けている「サービスとんかつ」に、古都・金沢が誇る「グリル・オーツカ」の「ハントンライス」、そして大阪ミナミがほこる老舗洋食店「重亭」の「ハンバーグステーキ」、さらには福井が誇る「ヨーロッパ軒総本店」の「ソースカツ丼」や、福岡が誇る「ブラジレイロ」の絶品「ミンチカツレツ」、そして京都市左京区岡崎の「グリル子宝」の絶品「オムライス」などなど、数え上げれば枚挙がないほどです。
そんな日本各地に存在する美味しい洋食店の中から、今回は東京上野に存在する老舗洋食店をご紹介しましょう。
お店の名前は「黒船亭」です。
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