トルコの日常生活に欠かすことができないチャイは、黒海沿岸のリゼで生産が盛んな茶葉を使ったトルコの伝統的な紅茶です。

朝起きて一杯、職場に着いたらまた一杯、訪問客があったときも一杯、市場で客をもてなすときも一杯、デザートと一緒に一杯と、トルコの日常の様々な場面で登場するチャイは、トルコを訪れたら誰もが一度は口にする飲み物でしょう。

そんなトルコの生活に欠かせないチャイを飲みながら気のおけない友達とおしゃべりができるカフェはイスタンブール中にたくさんありますが、なかでも最近特に若者の間で話題になっているのが「デム・カラキョイ」です。

「デム・カラキョイ」は、新市街地のカラキョイにあります。カラキョイはボスポラス海峡に面しており、アジアとヨーロッパを行き来する船が発着する埠頭やトラムの駅、歴史ある建物を利用したホテルやオフィス、個人営業の小さなお店などがある、古き良きイスタンブールの面影が残る活気溢れるエリアです。

「デム・カラキョイ」にはそんなカラキョイで働く人たちや学生が、束の間の癒しの時間を求めてやってきます。カフェはカラキョイに昔からある建物の一階部分を改装して造られています。ほどよくレトロな感じを残しつつもおしゃれなインテリアがセンス良く並んでいる店内は、まるでカラキョイの街の縮図のようです。

このカフェの一番の魅力は、なんといってもチャイのバリエーションの多さです。

普通、トルコのカフェでチャイといえば一種類しかないのに、「デム・カラキョイ」にはトルコのチャイだけでも産地別、品質別に3種類あります。さらに、インドや中国、スリランカ産のダージリン、アッサム、アールグレイや、南アフリカ産のルイボスティーにオリジナルのハーブをブレンドしたものまで、ありとあらゆるチャイが常時揃っているのです。

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